モヤモヤシリーズ童貞風?
何年か前、僕の携帯電話が鳴った。知らない番号からだった。すぐに、なんとなくだが、それがあの電話の類いだとわかった。いつもなら出ないという選択をしていたけど、暇つぶしにでもと出てみた。案の定、その電話は英会話教材のセールスだった。心の準備は出来ていたので、
「教材どうですか?」
の質問にははっきりと、
「いりません」
と答えた。若い女の声だった。
そのお姉さんは当然これぐらいでは引き下がらない。きっと大抵の場合電話に出ないか出たとしても営業マニュアルの1ページ目を読んだ瞬間切られてしまうのだろう。反応があった、断ったあとも切らなかった、僕にここぞとばかり英会話の大切さを説いてきた。機械的な喋り方だった。
僕は、お姉さんには悪いけど、最初から、電話にでる前から買う気など毛頭なかった。暇つぶしの為だったのだから。さて、と。僕はお姉さんの機械的な喋り方をやめさせようとした。癖だ。合コンで輪に弾かれて一人ぽつんとしているおばさんと話し込むのが好き、みたいな。悪くいえば見下された人に高いところから突っ込んでいく、というような癖がある。悪く書きすぎた気もするけど。良くいえばそういう影になった人にきゅんとしちゃうのだ。
そんな時僕の手はいつも決まっていて、なるべく親切に、悪い気持ちにさせない程度に下手に、笑わせる為になるべく普通じゃない質疑応答をすることだ。
この癖が見事ハマった。マニュアルにはないであろう、しかも自分(お姉さん)を楽しませようとして(僕なりの)精一杯の笑いを含めて、普通じゃない受け答えをする僕にお姉さんは純粋におもしろがってきた、と思う。エロ話もしなかったしね。アハハ、と生暖かい笑い声が電話口から聴こえた。本当に生暖かく飾らない笑い声だった。そう、僕はスーパーおもしろ人間だったのだから。死ね僕、死ね。
笑い声をスイッチにして色々な話をした。お姉さんが田舎(三重?うろ覚え)から東京に出てきたばかりだということ。東京にいまいち馴染めないこと。等々、あまり覚えてはいないのだけれど、僕とお姉さんは、なんと、1時間半も話していたのだから確かに色々とたくさん話したのだ。お姉さんは都会暮らしの寂しさもあってか本当楽しんでくれていたような気がしたよ。もちろん僕はお姉さんの話を信じきっているわけじゃない。僕の同情なりなんなりに漬け込んで教材を売り込む気があっても構いやしない。見知らぬ人同士の暇つぶしもしくはストレスのはけ口に過ぎない。笑いたきゃ笑え。
楽しい会話も終わりは来る。第一お姉さんはバイト中なのだ。
「じゃあどうですか教材は?」
生暖かい少し笑いながら抑揚のある声でお姉さんは再び言った。
「いや、いりません」
僕がそう言い、最後に、ではでは、なんか言って実にあっさり僕から電話を切った。
あのお姉さんのことを今日突如として思い出した。元気かなぁ?幸せになっているのかなぁ?今もあのバイトしてんのかなぁ?してないよなぁ。あんなバイトしてんのはろくな奴じゃないよなぁ(笑)。あなたがどう思ってたか知らないけど、僕はあなたのお陰で楽しい一時を過ごしました。ありがとう。
「教材どうですか?」
の質問にははっきりと、
「いりません」
と答えた。若い女の声だった。
そのお姉さんは当然これぐらいでは引き下がらない。きっと大抵の場合電話に出ないか出たとしても営業マニュアルの1ページ目を読んだ瞬間切られてしまうのだろう。反応があった、断ったあとも切らなかった、僕にここぞとばかり英会話の大切さを説いてきた。機械的な喋り方だった。
僕は、お姉さんには悪いけど、最初から、電話にでる前から買う気など毛頭なかった。暇つぶしの為だったのだから。さて、と。僕はお姉さんの機械的な喋り方をやめさせようとした。癖だ。合コンで輪に弾かれて一人ぽつんとしているおばさんと話し込むのが好き、みたいな。悪くいえば見下された人に高いところから突っ込んでいく、というような癖がある。悪く書きすぎた気もするけど。良くいえばそういう影になった人にきゅんとしちゃうのだ。
そんな時僕の手はいつも決まっていて、なるべく親切に、悪い気持ちにさせない程度に下手に、笑わせる為になるべく普通じゃない質疑応答をすることだ。
この癖が見事ハマった。マニュアルにはないであろう、しかも自分(お姉さん)を楽しませようとして(僕なりの)精一杯の笑いを含めて、普通じゃない受け答えをする僕にお姉さんは純粋におもしろがってきた、と思う。エロ話もしなかったしね。アハハ、と生暖かい笑い声が電話口から聴こえた。本当に生暖かく飾らない笑い声だった。そう、僕はスーパーおもしろ人間だったのだから。死ね僕、死ね。
笑い声をスイッチにして色々な話をした。お姉さんが田舎(三重?うろ覚え)から東京に出てきたばかりだということ。東京にいまいち馴染めないこと。等々、あまり覚えてはいないのだけれど、僕とお姉さんは、なんと、1時間半も話していたのだから確かに色々とたくさん話したのだ。お姉さんは都会暮らしの寂しさもあってか本当楽しんでくれていたような気がしたよ。もちろん僕はお姉さんの話を信じきっているわけじゃない。僕の同情なりなんなりに漬け込んで教材を売り込む気があっても構いやしない。見知らぬ人同士の暇つぶしもしくはストレスのはけ口に過ぎない。笑いたきゃ笑え。
楽しい会話も終わりは来る。第一お姉さんはバイト中なのだ。
「じゃあどうですか教材は?」
生暖かい少し笑いながら抑揚のある声でお姉さんは再び言った。
「いや、いりません」
僕がそう言い、最後に、ではでは、なんか言って実にあっさり僕から電話を切った。
あのお姉さんのことを今日突如として思い出した。元気かなぁ?幸せになっているのかなぁ?今もあのバイトしてんのかなぁ?してないよなぁ。あんなバイトしてんのはろくな奴じゃないよなぁ(笑)。あなたがどう思ってたか知らないけど、僕はあなたのお陰で楽しい一時を過ごしました。ありがとう。