モヤモヤシリーズ社会問題解決風? | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

モヤモヤシリーズ社会問題解決風?

能力発見器の発明により日本から一千万人のニートが消えた。
「きみはハンカチ落としがうまい。ハンカチ屋さんになりなさい」
「きみは小便するのが上手だね。下水処理場で働きなさい」
「きみは人を殺すことに罪悪感を抱かないね。警官になってバンバン殺しなさい。バンバン。なに?バンバン殺しても構わないのかって?ははは。きみぃ。今やこの日本にはひとりも無駄な人間はおらんのだよ。この能力発見器によって皆が職につき国民の義務を果たしておる。わかるかね?きみがバンバン殺しても次から次にバンバン新しい才能が国に返ってくるのだよ。ひとつも埋もれることはない。きみが一人や二人や十人や一万人殺してもなんら問題ないのだ。だからきみも才能を生かしてバンバン殺しなさい。バンバン」
「きみは…うん?………おかしいな………きみは……………壊れたか?」
男は機械を自分に向けた。
「うむ…わたしはなにごとも適当に決めて後悔しない才能がある…壊れてはいないみたいだ。しかし…なればこれは…」
男は再び青年に機械をあてた。
「うむ、うむむ……………こ、これは………きみには才能がない。なにもない。こんなことは初めてだ。聞いたこともない。なに?才能がないことが才能じゃないのかだと?…………そのありきたりな発想…きみは本当になにもないみたいだな」
男は手を顎にあててなにやら考えている。
「なかったことにしよう」
「へ?」
「きみはいない。いなかった。うんうん。おーい、さっきの子呼んできて」
ほどなくして早くも制服を着たさきほどの青年が部屋にやって来た。
銃声が二回。バンバン。
さらに二回。バンバン。
部屋を出た警官は、
「なんてやりがいのある仕事なんだ」
と、神に感謝するように言った。