モヤモヤシリーズ。プロレタリア絵本風? | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

モヤモヤシリーズ。プロレタリア絵本風?

サルホンは元気に遊んでいただけでしたが、人々は気が気でなりません。何故ならサルホンが遊びを止めると必ず不幸な出来事が起こるからです。大きな煙突が折れて民家に直撃したこともありました。教会のガラスが割れて老婆の首に刺さったこともありました。それでも村の人々はサルホンを責めませんし、遊ぶな、とも言いません。良い人々の下、サルホンは毎日とても楽しく遊んで暮らしていました。ある日サルホンの前に少女がやって来て、「わたしも一緒に遊んでいい?」と言いました。サルホンは喜んで、「いいとも。ちょうど一人で遊ぶことに飽きていたところさ」と言いました。二人は仲良く踊ったり、石を蹴ったり、トウモロコシの毛をむしったりして遊びました。人々は二人のことが気が気でありませんでしたが、この日ついに不幸な出来事は起こりませんでした。そしてこの日以降、サルホンが遊んでも不幸な出来事は起こらなくなりました。人々は胸のつかえがとれたように息を吐き、サルホンは毎日少女と遊び幸せに暮らしていきました。月日が経ちサルホンと少女は結婚をしました。サルホンはトウモロコシを作る仕事をすることにしました。仕事はうまくい
き、収穫期にはたくさんのトウモロコシが実りました。サルホンの作るトウモロコシはとても美味しく、人々は驚き、また喜びました。サルホンのトウモロコシは評判になり、噂はこの国中に響きわたりました。この国の王様はサルホンのトウモロコシを手に入れ、一口かじるとたちまちサルホンのトウモロコシをもっと欲しくなりました。王様はサルホンに城に来てトウモロコシを作るよう命令しました。サルホンは城に行くことにしました。城に行かなければ妻や村の人々を焼かれてしまうからです。城で一人、サルホンはトウモロコシを作りました。そのトウモロコシはやはりとても美味しく、王様は大変満足でした。しかしサルホンはとてもつまらない日々を過ごしていました。あまりにもつまらないのでサルホンは遊んでみることにしました。サルホンはケンケンをしたり、逆立ちをしたり、葉っぱを集めたりして遊びました。農作業のかたわら毎日遊びました。あまり楽しくありませんでしたが、遊ばないよりは遊んでいた方が楽でした。そんなある日王様は部下の大臣に殺されました。王様は悪い人で、大臣は良い人でしたから国の人々は喜びました。サルホンも喜びました。
王様が殺された次の日、大臣はサルホンを呼んで、「故郷に帰りなさい。トウモロコシは村で作りなさい」と言いました。サルホンは嬉しくて泣いてしまいました。次の日早速故郷の村へと出発しました。そして村に着きました。しかし村はありませんでした。妻も村の人々も教会も民家も煙突もありません。焼け野原です。サルホンは訳がわからず、ただ泣きました。涙がひくとサルホンはトウモロコシの種を蒔きました。そして悲しい心をやめようと遊びました。遊び終わると、村のあった場所に雷が落ちてサルホンに当たりました。「あぁ、僕は遊んではいけないんだな」サルホンは最期にそう思い土に還りました。サルホンのトウモロコシはとても美味しいものでした。