ボツ台本あいさつの言葉 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本あいさつの言葉

漫才「あいさつの言葉」


B『いやぁおれさ、あいさつの言葉ってのが腑に落ちないんだよ』
A「あいさつの言葉が腑に落ちない?どういうこと?」
『いやさぁ、例えばなんで、おはようございます、だけ敬語なんだろうとかね』
「あー、こんにちはとこんばんはにはございますをつけないもんな」
『そうなんだよ。こんにちはございますってのはおかしいだろ?』
「うん、なんか今日はいやにまじめだね」
『ああ。ボケる気なんかないよ』
「それはどうかと思うけど」
『で、なんでこんにちはとこんばんはにございますをつけないかというと、おはようはつまりお早う、早いっていう形容詞だから敬語にすることが出来るんだ。こんにちはとこんばんはは主語名詞と助動詞がくっついてるだけの、文の途中の状態で、形容詞とか動詞、要するに述語が続いてないから敬語にする余地がないんだ』
「うん、そうだね。おはようございますってのは、なになにですね、ってことだから、優しいですねとかと同じで、こんにちはとこんばんはは、これは、とか、私は、あなたは、なんかと一緒ってことだね」
『そう。まあそんなことはどうでもいいんだけど』
「どうでもいいの!?結構まじめに語ってたけど」
『どうでもいいんだよ!バカだな!』
「バカってこたないだろ!いつどこでおれをバカだと認識したんだよ!」
『お前の親に会ったときからだよ』
「おい!親の悪口言うな!」
『なんだよ!だってそうだろ!?みなさん、こいつの親なんかですね、10円玉を10円で売ってるんですから』
「そんなわけあるか!なんだよ10円玉を10円で売る商売って」
『10円玉屋だろ?』
「10円玉屋ってなんだよ!どうやって儲けるんだよその商売」
『だからバカなんだろ?』
「ああもう、違うよ!10円玉屋なんかやってないしバカでもない、普通に働いてる普通の親だよ!」
『嘘つけ!』
「嘘じゃねぇよ!」
『じゃあなんでお前の家は貯金箱に10円玉しか入れねーんだよ!』
「どうでもいいだろ!使わない小銭を貯めてんだよ!」
『100万円貯まりますってバカヤロー、500円玉じゃねえっつうの!単純計算で50分の1だから貯まって2万だよ!』
「いいじゃねぇか2万でも!ほっとけ」
『ほっとけるか!相方の実家が10円玉屋だなんて』
「ああもういいから話の続きいって」
『アントニオ猪木が』
「アントニオ猪木どこからでてきたんだよ!」
『バカヤローお前、猪木が言う、元気ですかー!ってあいさつとおはようございますは基本的に構造が同じだっていう話をするところだったんじゃねえか!』
「ああそうなの?ごめんごめん。それにしても猪木のモノマネひどいな」
『ああ!?……元気があればなんでも出来る』
「ああもう猪木のモノマネはいいから早く続きを」
『お前のせいだからな!ったく、バカヤロー(猪木)』
「もういいから」
『要するにおれはいざ目上の人と会うときに、もちろん敬語で話すんだけど、敬語であいさつする言葉がおはようございますしかないってのがむかつくわけ』
「ああそうだったのね」
『こんだけ上下関係が厳しい国で、いいですか、こんだけ上下関係が厳しい国で、朝のあいさつしか敬語じゃないなんておかしくないですか!?』
「ああ、まあまあ確かに」
『どうするんですか!?橋田壽賀子先生(仮)にあいさつするとき、朝じゃなかったらなんて言えばいいんですか!?こんちゃ~なんて気軽にあいさつしようもんなら殺されちゃいますよ!』
「いや殺されはしないだろうけど、確かに、まあこんちゃ~ってのはあり得ないけど、こんにちはともあいさつし難いね」
『だろ!?どうすんだよ!?あいさつしに行くたんびに橋田先生とラブホテルに行って朝を待つしかないのかよ!』
「やめろ!」
『やめねーよ!』
「やめろバカ!大体ラブホテル行ってなにする気だよ!」
『なにするって……すいませんねみなさんこいつ童貞なもんで』
「童貞じゃねえよ!ラブホテルですることぐらい仮に童貞でも大人なんだからわかるわ!」
『で、こんにちはを敬語にしたいわけなんだけど』
「急だなおい、まあいいや、そんで?」
『簡単に言えばこんにちはの続きを敬語にするしかないわけ』
「ああ、こんにちは、は文の途中だからね」
『そう。でおれは考えてたわけ。かれこれ10年ぐらい』
「随分長く考えてたな」
『10年前っていうと大体日本人がまだナウマン象を狩っていた頃なわけですけど』
「そんな昔じゃねえよ。10年前っていうと大体~~~~~~~(10年前の流行とかやってたこと)だったときだよ」
『そんな昔なの~~~~~~って』
「うんまあ10年前を昔と思うかどうかは人それぞれだけど」
『あっ、でたよ、まぁた曖昧なこと言って、本当にこいつは昔から優柔不断なやつでね』
「いいよ、早く続けろよ」
『女に告白するとき決まって、まずは友達以上恋人未満な関係になろう、とか言うんですよ』
「おい、……昔一回言ったことあるだけだろ!?いいから続き!」
『友達以上恋人未満ってどんな関係だよ!?』
「もういいから」
『友達以上恋人未満って言えばロマンティックだと思ってるんですよ。そんな関係、要はセックスフレンドですからね』
「おい!人の思い出に土足で踏み込むんじゃねえよ!それにその関係がセックスフレンドだったらおれ童貞じゃねえだろ!」
『それとこれとは別の話だろ!そもそもお前は告白に成功した試しがないんだから。こいつはね、こうやって巧みに世論を操ろうとするんですよ。ったく最低だなお前は』
「ああもういいよ、なんか長くなりそうだから」
『長くなんかならねーよ!お前が童貞だって認めればいいだけの話じゃねえか!』
「わかったよ!童貞だよおれは!」
『最初から素直になればいいんだよったく』
「はいはい、ほんで続きは?」
『大体お前の親が童貞なんだから』
「ほんっーとにもういいから。早く続けて」
『そんで、こんにちはのあとに続ける言葉ですが、いいですか?』
「やっとだよ。それで」
『こんにちはブサイクでございますね、がいいと思うんだ』
「いいわけねーだろ!10年考えてそれかよ!言われた方気分悪いわ!」
『こんにちはまた一段とブサイクですね』
「足すな足すな!そんなもん目上の人に言えるか!」
『だって実際そうなんだからしょうがないだろ!』
「実際ってお前誰に言うつもりなんだよ」
『橋田壽賀子に決まってるだろ』
「やめろ!もういいよ」



終わり