ボツ台本レンタルビデオ店 | からだに恥をかく体操〜えんぴつみがき〜

ボツ台本レンタルビデオ店

「レンタルビデオ店」ボツ理由・歴史の知識がネックだから。


客A、物色、カウンターへ。
「はい、これ」
店員B『ご利用泊数はどうしますか?』
「あー、んと、一泊でいいや」
『はい、一泊です…ね……うん?あのお客様』
「なに?」
『レンタル期限を過ぎたのにまだお返しになられていないDVDがありますね』
「え?本当?」
『はい、確かに』
「え~、記憶にないけどなぁ、最近借りてないし、おれいつ頃借りたの?」
『えー、1600年の2月15日ですね』
「はあ?」
『1600年の2月15日です』
「1600!?んなわけあるか!1600年つったら関ヶ原の戦いがあった年だぞ!?」
『よくご存知で』
「よくご存知で、じゃねえよ!なんだよ!大体なぁ400年前っつったら当然おれ生まれてねぇしこの店もないだろ!」
『それは私が判断出来ることではありません』
「しろしろ!もう。なんかの間違いだろ?」
『お客様』
「ん?」
『まさか踏み倒そうとしてるんじゃ』
「してるよ!いや違う、払う気はねぇよ!?明らかにそっちのミスじゃねえかよ!」
『いや、そんなことはありません』
「なにぃ?なんでだよ」
『いや、多分』
「多分って、お前が優柔不断なのかすっぱり物事を決断する奴なのかわからねぇな!いやそんなことはどうでもいいわ!とにかく払わないよおれは!」
『お客様困りますよ。もしかしてDVDなくしちゃったんですか?』
「なくしてねぇよ!借りてもねぇんだからな!つうか400年前にDVD無いだろ」
『なくしてない、…ということは延滞料払う金が惜しいってやつですか?』
「だから借りてねえっつうの!ちょっと考えてみろ、1600年だぞ!?それに払う金が惜しいって、その言い方むかつくわ」
『払う甲斐性がないんですか?』
「余計むかつくわ!そして少しでいいから1600年っていうところを考えろ!」
『もうなんなんですか、きっちり払ってもらいますからね。五兆円』
「五兆円!?…ご、五兆円!?払えるか!高過ぎだろ!」
『ええ、江戸時代さえはさまなければ300円なんですけど』
「安っ!400年の延滞料にしては安過ぎない!?」
『ええ、でもお客様は江戸時代をはさんじゃってますから五兆円になります』
「なんだよそのシステム」
『ああ、明治維新のゴタゴタで江戸以前からお借りになっている方はこうなってしまうんです』
「本当かよ」
『ええ、…多分』
「またかよ!お前が勝手に決めてるんじゃないのか!?」
『え?そうですけど』
「そうなのかよ、なら、多分、とか言うな!ああもうあんたじゃ話にならないよ。店長呼んできて店長」
『はい』
…………………
「店長呼べって言ってるだろ!」
『はい』
………………………
「だからぁ」
『私が店長ですがなにか』
「お前店長なの!?世も末だな」
『へへ、ありがとうございます』
「おれ一切ほめてねぇよ!?あーじゃあ本社の奴、ここ全国展開日本一のチェーン店だよなぁ!本社の奴呼べ!」
『はい』
………………
「おい……………まさか」
『私このグループの社長も勤めています』
「うわ、本当かよ!?」
『ええ、……本当に』
「ここは多分じゃねえんだ、って本当なのかよ、ちょっと名刺見せてみろよ」
『あ、はい』
「なになに、○○レンタルビデオ社長Bだぁ?」
『よく透明な名刺読めますね』コントだから名刺を渡しているフリしかしてない。
「だあぁ!なに言ってんだよ!」
『初めてですよ。その名刺読めた人』
「うるさい黙れ!ああもう!○○レンタルビデオ社長Bだって?本当かよ。ちょっと待ってろ」
『仕切り直しってやつですか?』
「そうだよ!お前がなんか言うからだろ!?相方なんだから協力しろよ!ああもう!○○レンタルビデオ社長Bだって?本当かよ。ちょっと待ってろ」
A後ろを向き携帯で調べて本社に電話する。それをみてるB、Aを指差して笑ったりして観客にコントだということをもとにしたアピール。
「けっ今に見てろよ」
トゥルルルル。
B電話とる。
『はい○○レンタルビデオ本社です』
「あー○○さん?ちょっとおたくに質問があるんだけど」
『はい、このままどうぞ』
「おたくの社長の名前ってBっていう名前?」
『はい、私です』
「私って………うわ、ええ?もしもし?」
『もしもし?』
「電話出てんのお前かよ!ええ!?」
A再び携帯で調べ直して確かめ、電話。
トゥルルルル
『はい、もしもし』
AB目が合う。
「うわぁ、でも、あれ?………あんたこの会社の社長なの?」
『はい、先程から言ってるじゃないですか』
「うわぁ、なるほど確かにそれならこの店のシステムを決めるのはお前だわなぁ、ってなに言ってんだろ、お前本当に社長なの!?」
『ですから、私が社長ですしここの店長です』
「ああ、なんかほんとうに世も末だな」
『またまたぁ、ありがとうござ』
「ほめてねぇよ!ああもうなんなんだよ、まぁいいや、とにかく払わねえからな!」
『五兆円払えないんですか?』
「払えるか!あんた払えるのかよ!?」
『まあ会社を売ればなんとか』
「うわ、なんかリアル」
『もうなんなんですか』
「こっちのセリフだよ」
『ああもうお金はいいですからDVDだけでも返して下さいよ』
「えっ、五兆円チャラにすんの!?器でかっ!ていうか持ってねぇよDVD!」
『そんなわけないでしょ!』
「その根拠はなんなんだよ」
『ちょっとぉ、思い出して下さいよ、400年前なにしてたんですか?』
「知るか!」
『覚えてないわけないでしょ?まだ若いんだから』
「いやいや……ああなんか頭混乱してきた…」
『早く返して下さいよ。“豊臣秀吉伝説”』
「なにそれ!?DVDのタイトル!?1600年っつうと秀吉が死んで二年後ぐらいだろ、しかも1600年にはDVD化してるって仕事早っ!、秀吉の伝説を伝える映画だとしたら国家事業ものだからきっと秀吉の秘蔵っ子である石田三成あたりの仕事早っ!」
『石田三成って、ちょっとあなた、ふーん、なんで監督の名前を知ってるんですかねぇ』
「あ、やっぱり石田三成が監督なのってこら!」
B疑惑に満ちた目でAを見る。
「なに確信してんだよ!ああもうどうすりゃいいんだよ」
『だから返せって言ってんだろうが!』
「うわ急に強気になったよ………ああもう」
『あ、お客様』
「ん?なんだよ」
『延滞してるの豊臣秀吉伝説だけじゃないですね』
「ええ!?な、なんだよその作品は?」
『あー、と“平安京でウグイスを鳴かせよう”ですね』
「なんだそれ、まさか」
『ええ、794年から借りられてますね、あ、しかもこれ18禁じゃないですか』
「AVなの!?ウグイスを鳴かせようってそういう方向なの!?」
『あんた1200年も前になにやってるんですか!』
「いや、1200年前でもやることはやってるだろうが、ってそんなことじゃねぇよ!もうなに言っていいのかわかんねぇよ!なんなんだよこの店!」
『ちなみに延滞料は10兆円です』
「10兆円!?あわせて15兆円!?」
『江戸時代をはさまなければあわせて900円なんですが』
「もういいよ」



終わり