こんにちは。
 
メリークリスマス、いかがお過ごしですか?
 
自分を甘やかすのと戒めるのと、バランスは取れていますか? 
 
 
 
かつて失敗した案件なんですけどね。
 
ある日、慢性のアレルギー性疾患の患者さんが受診されたんです。
 
病院でもなかなか良くならないから、鍼灸マッサージを試してみようって。
 
こちらとしては、「オーケーです。自信はあります」ってことでお受けさせていただきました。 
 
で、治療を続けるのですが、なかなか良くならない。
 
結果、3か月ほどで「もうやめようと思います」と言われてしまい、「そうですか。お力になれずに申し訳ありませんでした」ということで終了、と相成りました。 
 
この件に関しては、悪いのは私です、色々な意味で。
 
 
 
 
鍼灸マッサージ院に来られる皆さんは、鍼灸マッサージ院や東洋医学に対して、西洋医学にはない『効果』を求めて受診されます。
 
ですが、東洋医学と西洋医学では考え方に違いがあるんです。
 
 
 
体調の話で良く例えられるのが『風呂の水』の話です。
 
「バスタブにお湯を張ろうと思う。
 
 でも、なかなかお湯が溜まらない。
 
 バスタブに穴が開いているからだ。
 
 バスタブをいっぱいにするために、何をしましょう?」

 
こんな感じのやつです。
 
バスタブにお湯がいっぱいになれば健康状態、お湯が少ない今は不健康状態、ってことです。
 
体調の良さを『お湯』に、不健康の原因を『バスタブの穴』に例えているんですね。
 
人間にはそもそも体調を良くしようとする『力』がある。
 
『バスタブに溜めるお湯を供給する力』と、『開いた穴を塞ごうとする力』です。
 
でも、何らかの原因でその力が邪魔されている。
 
だから体調が良くならずに不健康なんだ、
とこういう論法ですね。 
 
 
 
病院などの西洋医学ってのは、『バスタブに溜めるお湯を供給する力』を増やすことでバスタブを満タンにしています。 
 
メリットは『あまり患者さんの生活内容に左右されない』ってことと『結果が早く出やすい』ってことです。
 
デメリットは『副作用は我慢してね』ってことと『実は治療の終わりを想定していない』ってことです。 
 
 
 
 
対して、鍼灸マッサージや東洋医学ってのは、お湯の溜まる速度は変えずにバスタブの穴をふさぐこと、『空いた穴を塞ごうとする力』を増すことを主眼としています。
 
ハリも灸もマッサージも漢方薬も、バスタブの穴、不健康の原因の方をどうにかして無くそう、減らそうと頑張っているんですね。
 
しかし、東洋医学に掛かっても結果が芳しくないなあ、って話になるときもある。
 
確かにバスタブの穴を埋めるのは私ら東洋医学施術者の仕事なんですがね、そういう時、実は穴をあけたり広げたりしているのは患者さんの生活内容なんです。
 

 
 
 
何が良くて何がいけないのか。
 
患者さんごとに『体質』があって、AさんはこういうことはOKでもBさんにはダメなんです、逆にAさんはダメでもBさんはOKなんです、ってこともある。
 
分かりやすいのはお酒ですね。
 
Aさんは1日ビール2缶飲んでる、Bさんは1缶飲んでる、だからBさんは抑えてる、我慢している、と考えやすいんですが、そういうことにはならないんですね。
 
Bさんの体質または体調では1缶でも多すぎるなら、それはバスタブの穴を広げていることになるんです。
 
ですが素人さんにはそれが分からない。
 
別に酒だけじゃありません。
 
バスタブの穴を開ける・広げる内容ってのは、生活の中の何気ない事や楽しいことが多いんです。
 
  
 
 
東洋医学では個別の症状の良し悪しだけを見ているわけではありません。
 
カラダ全体を見ているんです。
 
バスタブの穴を直すため、普段の生活のアルコールだけとは限らない、それぞれの人のすべての生活習慣を見直す必要があるんです。
 
ですが素人さんではどれを見直せばいいか分からない。
 
一番重要な原因はそのままで、見当違いの内容にストイックさを発揮して、体調が明後日の方向に悪くなっていく可能性もあるんです。
 
なので私らのような『東洋医学のプロ』が必要になってくるんです。
 
患者さんのこういう生活が穴を広げるんですよ、辞めないと穴はふさがらないですよ、お湯は溜まらないですよ、と、生活態度を改めないと健康にならないよ、目的は達成できないよ、と伝えないといけない。
 
 
  
 
先の慢性疾患の患者さんにもそういった全体の生活指導をするべきでした。
  
ですが、ここで私の『保身』が頭をもたげた。
 
「医者でもないのにあれはダメだ、これはダメだばっかり言ってたら嫌われちゃうかな。
 
 嫌われたら来なくなっちゃって、患者さん自身も治らないし、ウチの収入も減っちゃうな。
 
 良くない習慣は目につくけど、慢性疾患だもの、長い目で見て顔色を見ながらゆっくり注意事項を増やして言っていけばいいかな。
 
 嫌われたら元も子もないもんな・・・」
 
てな感じで。
 
結果、ズルズルと長引いて、効かないって判断されて、患者さんを失望させてしまいました。
 
 
 
 
もっと続けてれば良くなっていたと思います。 
 
また、自分の技術もあの時はまだまだ未熟だったとも思います。
 
ですが、患者さんの体調を思うなら、医者がどうとか経営がどうとかじゃなくて、東洋医学を扱ってる施術者として多少嫌われても生活内容についてキチンと言わないといけないことは『最初から全開で』言うべきだったと思います。
 
ヘラヘラ顔色をうかがっている状況じゃなかった。
 
結果を残せなかった。
 
とても反省しています。 
 
 
 
 
今ですか? 
 
今はね、言う言う。 
 
病院の医者が言ったことと違う? 
 
てやんでぇ、医者なんざ知るか。
 
ソレは生活の楽しみ?
 
べらんめぇ、おめえさん、すぐにでも健康になりたいんじゃあねえのかい!?
 
おめーの脈も舌も腹もツボも全部○○が原因だって示してんじゃねーか。
 
○○に悪いんだから△△をやめろ!
 
□□もすんな!
 
分かったか!

 
ってなことを社会人らしく、大人しく、丁寧語で、やさしく、ソフトに伝えております。 
 
また、技術的にもガンガン成長しております。
 
大体どんな症状にも対応できるようになっております。
 
病院ではあきらめちゃうような意外なモノまで治しております。
 
どうせダメなんだろうな、とか考えず、お気軽にご相談ください。
 
丁寧に施術、丁寧に説明させていただいております。
 
どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
 
豊橋市・小浜治療院