何以笙簫黙第 6 章 離合(3) | アジアドラマにトキメキ!

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第 6 章 離合(3)

 

黙笙はこんなに速い運転の車に乗ったことがない。運転する人の顔は冷静に見えるのに車の速度は狂っているようで恐ろしく結果、車が停止するのを待つしかなかった。

彼女の顔色は青白く手足に力は入らなくなっているのに、以琛はさっきまで散歩をしてたかのように穏やかな顔をしている。

「俺に一つの理由をくれ」彼は前方を見ながら言う。

黙笙は彼の曖昧な表情の横顔を目にしても、胃の痛みで彼の話がどういう意味なのか深く考えられない。

 

「言ってくれ。愛していると」

 

黙笙は呆気に取られて急に喉が詰まってすぐには言葉が出てこなかった。

「以琛,私・・・」

「いい!」彼は突然、そして荒々しく彼女の話を遮ると「言うな!」

彼女にはどうしていいかわからずに彼のきまぐれな表情を眺める。

暫くして彼は言う「行け。明日、返事をする」

 

もしかしたら車に酔ったせいかもしれない。この晩彼女はよく眠れずにいて、早朝の微睡んだ時鳴りだした携帯電話にほとんどすぐに起き上がり出る。

「もしもし」

「今、下に居る。身分証を持って下にきてくれ」

話し終えるとすぐに電話は切られ、黙笙は何故なのか尋ねる機会を失った。

 

慌ただしく物を掴んで急いで階下に下りると以琛の車は向かい側に止まっていて、黙笙は躊躇いがちに車のドアを開けると中に入って腰を掛ける。

「身分証は持ってきたか?」

「持って来たわ」黙笙は幾らか疑って「身分証で何をするつもりなの?」

「民政局に行く」以琛は冷ややかに言う。

「民政局?」黙笙は薄々理解しながらも、詳しくはわからない。

「そうだ」以琛はこともなげに、この一件に対して無関係なことのように言う。

「俺たちは結婚の登録に行く」

 

結婚?

 

黙笙は驚いて彼を見て、自分が聞き間違えたのかと疑い「以琛・・・」

「行きたくないなら車から降りろ」以琛は彼女に見向きもしないでこの一言を投げかける。

黙笙は彼の決定的な表情を見て理解する。彼は私を追い詰め、自分自身を追い詰め、結果がどうであるかに関わりなく一つの結末を求めている。その上、ほんの少しの後悔の余地を残さない。もしここでこの車を降りたら、その時は自分たちに今後二度と可能性はなくなる。

黙笙は深く息を吐いて一気に言う「行くわ」

「本気なのか?」

黙笙は頷く。全てはもう決まっていてかえって落ち着いている。

 

「あなたが言ったことをまだ覚えている?もし、将来あなたが私の夫になるのが運命なら、それなら私は当然少し早めに自分の権利を行使すべきだわ」

彼は微動だにせずに凍てつくように言う「その上、実証済みだ。この種の考え方は只、間違いをもたらすだけだと。まだ同じ失敗を繰り返すつもりなのか?」

黙笙の眼差しは暗く「運転して」それだけ答えた。

 

 

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