ヘイリィとその見知らぬ男とはしばらくの間黙って葉巻をふかしていた。どちらも肝腎な話は切り出したくない様子である。工務店 杉並区
とうとう男のほうがまた口を開いた。あんた、まさかあの子供で、十両以上欲しいなぞと思っちゃいまいね、どうせしまつせにゃあならんのだから?」
ヘイリィは頭を振って、大仰に唾を吐いた。そりゃあだめだ、てんで」と彼は言って、また葉巻をふかしはじめた。それじゃあ、あんた、いくらならいいんだ?そうさな」とヘイリィは言った。「なんだったらおれが一人で育てたっていいし、人に育てさせたっていい。なかなか頼もしいやつで、からだも丈夫ときてるからな。半年もたちゃあ百両にゃあなるね。一、二年もすりゃあ、それこそ、もっていきようで二百両にもなるてえ代物だ。だから五十両を一文かけても今は売れないね」ええ、あんた! そいつはべらぼうだ、まったくの話」とその男は言った。いやほんとうさ!」と言ってヘイリィはこくりとうなずいてみせた。三十両出そう」と見知らぬ男は言った。「だがそれ以上は一文だってごめんだ。じゃあ、こうしよう」とヘイリィは、また唾を吐きながら、考え直したという様子で言った。中をとって、そう四十五両といこう。こっちとしちゃあこれでせいいっぱいだね」
「よし、よかろう!」とその男はちょっと考えてから言った。