私ね、セントクレアと結婚した時、自分の財産と召使いをもってきましたの。ですから法律上、私はそれらを自分で好きに使う権利があります。 工務店 足立区
セントクレアにも自分の財産と自分の召使いとがありましたわ。ですから私、あの人がそれらをかってに使ったって少しも不服ではありません。ですけど、セントクレアは何かというとすぐに喙を容れるんです。あの人は何事につけてもとほうもないそれは突飛な考えをもっていますの。ことに召使いの扱いについてそうですわ。ほんとうに、あの人のすることを見ていると、まるで召使いのほうを私よりも、そしてあの人自身よりも大切にしているみたい。
だって、自分がどんな厄介な目にあっても召使いたちにはかってにやらせておいて、指一本あげようとはしないんですからね。かと思うと、ある事では、セントクレアはじつに恐ろしいんですのよ私、怖くなりますわいつもは人の好さそうな様子をしているんですけどね。つまり、あの人は、たとえどんなことがあっても、あの人か私がたたく以外この屋敷内で召使いをたたいてはならぬと言って、そう言い出したらきかないのです。私などにはとても反対できないほど頑として言い張るんですの。で、それがどんな結果になるかは従姉《ねえ》さんにもおわかりでしょう、だって、セント?クレアは、召使いが一人残らずあの人を踏みつけていったって手をあげるようなことはしないでしょうからね。