本日のテーマは入院中のお食事について。
病院で提供されている食事について、栄養バランスの話なども絡めてご紹介したいと思います。
私の入院している病院は、食事はかなり美味しい方だと思います
整形外科の単科病院で、常食をいただいているというのも大きいかもしれませんが、いつものご飯はこんな感じです
朝ごはん
昼ごはん
晩ごはん
とある週のメニューはこんな感じ
中でも注目していただきたいのはここ
これが成人女性の理想的な食事(身体活動レベルは低レベル)です
ところで、病院の食事って、患者さんごとに異なっているのはご存知でしょうか?
患者さんの年齢、性別、基礎疾患の有無、嚥下の状態、アレルギーの有無に合わせて、その方に合った適切な食事を提供すべく、入院が決まった時点で医師が栄養科に指示を出します。
病院食にどんな種類があるのかを説明しだすと長くなってしまうのでここには書きませんが、一例として岩手県立大東病院さんの食事基準表をご紹介しておきます。興味を持たれた方はリンク先をご覧になってくださいね
さて、上の写真の献立では、エネルギー1800kcalとなっていますが、一日に必要とされるエネルギー量というのは各個人により異なります。
そして自分がどれくらいのカロリー摂取をしたらよいのか(推定エネルギー必要量)は、計算により求めることが出来ます
1日に必要なエネルギー量とは?!
推定エネルギー必要量は以下の式で求められます!
推定エネルギー必要量(kcal/日)=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル
ここでいう基礎代謝量とは、生命活動を維持するために、安静にしていても消費されるエネルギー量のことをいいます。
基礎代謝量は様々な方法で求めることができますが
基礎代謝量(kcal) = 基礎代謝基準値 × 現在の体重(kg)
で求めるのが最も簡便かと思います。
以下の基礎代謝基準値の表は、厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2020年版)よりお借りしました。
自分の年齢と性別が交差するところの値が基礎代謝基準値になりまして、これに現在の体重を掛け合わせると、基礎代謝量が求まります!
身体活動レベルはⅠ(低い)、Ⅱ(普通)、Ⅲ(高い)の3段階に分けられます。
レベルⅠとは生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
レベルⅡは座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
レベルⅢは移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合
と定義されています。
上記の表のように、年齢と身体活動レベルによって係数が決まっているので、先ほど求めた基礎代謝量にこの係数をかけると、推定エネルギー必要量が求まります!
という訳なのですが、計算するのめんどいという方のために、年齢、性別、身体活動レベルから求める推定エネルギー必要量も載せておきます
これで、自分が一日にだいたいどれくらいのカロリーを摂取するのが良いのかがわかりますね
(表は全て厚生労働省のサイトで公開されている『日本人の栄養摂取基準(2020年版)』よりお借りしています。500ページ近くありますが、栄養についてすごく詳しく書かれていますので、もっと詳しく知りたい方はそちらをご覧ください)
で、ようやく一日に必要なカロリーが求められた訳ですが、これを全部糖質から摂るとか、タンパク質からのみ摂るっていう極端なのはダメですよ
推定エネルギー必要量が決まったら、理想的なPFCバランスを考えましょう
PFCバランスとは?
栄養バランスを考える際に重要な、エネルギー産生栄養素バランス、という言葉があります。
これはエネルギーを産生することの出来る3種類の栄養素が、全体のエネルギーのうちそれぞれ何パーセントを占めているかを示したものです。
エネルギーを産生することの出来る栄養素は、タンパク質(protein:P)、脂質(fat:F)、炭水化物(carbohydrate:C)の3種類なのですが、英語の頭文字をとってエネルギー産生栄養素バランスのことをPFCバランスとも呼びます。
理想的なPFCバランスを定めるには、たんぱく質の量をまず初めに決めて、その次に脂質を決め、残りを炭水化物とするのが適切であるとされています。
ちなみに、アルコールはエネルギーを産生しますが、必須栄養素でありません
お酒を楽しまれる方の場合、一日に必要なたんぱく質と脂質をまず確保してから、残りのエネルギーを炭水化物とアルコールで分配するのが良いと、日本人の食事摂取基準(2020年版)に書かれておりました
ごちゃごちゃと言葉で説明するより、表を見たほうが早いのでまずはコレをどうぞ。
私の年齢であれば、先ほど求めた推定エネルギー必要量のうち、13から20%をタンパク質からとって、さらに20から30%を脂質でとって、残りを炭水化物から摂ればいいわけです。
こちら表は埼玉県越谷市の保健所さんが作成してくださったものをお借りしています。
で、話は冒頭に戻るわけです
病院食って、めちゃくちゃ理想的な栄養バランスなんですよ!!だって、これですよ、これ
あまりにも素晴らしいので、毎回メニューは写真に撮っていました
参考までに過去のメニューたちも。
余裕があれば、自分でバランス計算しながらお料理するのが良いですが、忙しい現代人はモデルとなる献立表を参考にしたり、コンビニで食事を購入する際にはパッケージに印刷されている栄養成分表示を気にして見るのが良いのでは?と思いました
あとね、おやつを食べる時は、それがPFCのいずれに当たるのかを意識するといいと思います。
振り返ってみると、私は今まで糖質と脂質の割合が高かったなぁと反省しました
どうか今回の記事が、皆様が食生活を見直すきっかけになれば良いなぁと思います