本日のテーマは痛みのコントロールについて
以下にまとめる内容は、私の場合はこんなふうに疼痛管理をしてもらったよというご報告と、使用した薬剤の紹介がメインになります。
同じ薬であっても、効き方には個人差がございます。
また、全身状態によっては、同じ薬剤が使用できない場合もありますので、その点を踏まえてお読みくださいね。
私が使用した鎮痛薬一覧
- セレコックス(内服薬)
- アナペイン(硬膜外麻酔)
- ロピオン(静脈注射)
- ボルタレンサポ(座薬)
- モーラステープ(湿布薬)
(2022年2月10日現在)
では、一つずつみていきましょう。
まずは、ベースとなる痛み止めとして、入院直後よりセレコックス(一般名:セレコキシブ)200mg(朝100mg、夜100mg)が処方されました。
痛み止めと一緒に胃薬(レバミピド100mg)も処方されました。
術後2週間だけは、セレコックスが400mg(朝200mg、夜200mg)に増量されました
(右がセレコックス、今は1回100mgに戻ってます!)
整形外科領域での痛み止めと言えば、まずはセレコックスよね〜
といいつつ、私はセレコックスを初めて飲みました
でもこのセレコックス、運動器(筋肉とか関節とか)の痛みには、とても頼りになる痛み止めなのです。
セレコックス(セレコキシブ)とは
セレコックスは「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」とよばれるタイプに分類されるお薬です。
一般的によく知られているロキソニンも同じカテゴリーのお薬なのですが、ざっくり言うとロキソニンよりセレコックスのほうが、胃に優しいお薬です
しかもロキソニンより半減期が長いため、一粒で長く効くと考えて良いでしょう。
そもそもNSAIDsって何なの?!ロキソニンとセレコックスはどう違うの?!ということについて、まとめておきます。
NSAIDsとは
NSAIDs(エヌセイズ)とはNon-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略であり、日本語では非ステロイド性抗炎症薬といいます。
生体組織が障害された時に、プロスタグランジンE2という物質が放出されます。このプロスタグランジンE2が、炎症とか痛みを引き起こすのですが、プロスタグランジンE2の合成に一役かっているのがシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素です。
NSAIDsはこのCOXの働きを阻害することで、プロスタグランジンE2の合成を抑制し、鎮痛・解熱・抗炎症作用を発揮します。
ロキソニンとセレコックスの違い
先ほどNSAIDsの説明に出てきたCOXですが、実はCOX-1、COX-2という2つのタイプが存在します。
COX-1は血小板、消化管、腎臓などに常時発現しており、各臓器を正常に保つ働きをしています。
一方、COX-2は炎症を促進するプロスタグランジンE2などを合成するのが主な役割だと言われています。
ロキソニンなどの古典的なNSAIDs(非選択的NSAIDsといいます)はCOX-2だけでなくCOX-1まで阻害してしまうため、胃腸障害や腎障害などの副作用を生じやすいです。
それに対して、セレコックスはCOX-2を選択的に阻害するCOX-2阻害薬(COX-2 Inhibitory NSAIDs)とも呼ばれています。前述の非選択的NSAIDsに比べて胃腸障害の発生頻度は減少することが分かっています。しかしロキソニンと比べて頻度は低いものの、セレコックスでも胃腸障害が発生します。なので、臨床では胃薬と一緒に処方されることが多いです。
説明がやたらと長くなってしまった
このペースで書いていったら、スクロールするのが大変な記事になってしまうので、薬剤1種類ごとに区切っていきます!
肝心のセレコックスの使用感ですが、一度夜の薬を飲み忘れたことがあって、そしたら夜中に痛みが強くなってきたので、しっかり効いてくれていると思います
ロキソニンとの比較はしていないため、どちらが鎮痛効果が高いのかは、はっきりとはわかりません
ただ、半減期はセレコックスのほうが圧倒的に長いため、内服回数を減らしたい方などは、セレコックスの方が向いていると感じました。
ご参加までに…
ロキソニン
段高血漿中濃度に到達 する時間はロキソプロフェンで約30分、trans-OH体で約50分で あり、半減期はいずれも約1時間15分であった。(ロキソニン60mgの添付文書より)
セレコックス
健康成人男女36例にセレコキシブ50〜400mgを空腹下単回投与したときの血漿中濃度は投与約2時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達した後、約5〜9時間の半減期(t1/2)で消失し、Cmax及び血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC)は高用量で用量比より低い比率で上昇した。(セレコックスの添付文書より)