本日のテーマは骨接合術について
その前に、「コツコツ」の語源についてもちょっとだけ触れておきます。
『コツコツ』は漢字で『兀兀』あるいは『矻矻』と書きます。(骨骨ではなかったのね〜)
その言葉の意味するところは、
①[ト・タル][文][形動タリ]地道に働くさま。たゆまず努め励むさま。「―と勉強をする」
②[副]①に同じ。「仕事を―こなす」「―励む」
出典:
なのですが、兀という字は「兀(たか)い」とも読み、「人(下の部首)が頭(上にある一)を突き出している様子」を表現した漢字なのだそう。
なので、『コツコツ』とは、地道な努力を重ねて高みを目指すときなどによく用いられます。
まるで、骨接合術後に骨芽細胞(骨を作る働きをする細胞)たちが、一生懸命骨と骨を繋げようと働いている様子を表すのにピッタリな言葉ですね
骨芽細胞、コツコツ頑張れ〜
もちろん私もリハビリを頑張ります
さてさて、本題に!!
私は骨接合術という治療法を選択したわけですが、大腿骨頚部骨折に対する骨接合術では、用いられる内固定材料(骨と骨をくっつけておくための金属)が何種類かあります。
大腿骨頚部骨折のガイドライン第2版によりますと
Q. 内固定材料には何を用いるべきか?
【推奨Grade A】
ハンソンピン,cannulated cancellous screw,sliding hip screw(CHSタイプ)を推奨する.
となっております。
ちなみに、各内固定材料間で 骨癒合、合併症に有意差は無いそうなので、骨折の型に応じて、適切な材料を選択するのだそうです。
(私の参照したガイドラインはあくまで第2版になります。ガイドラインは常に改訂されますので、より正確な情報を求める場合には、最新版をご覧ください。)
ネットで検索すれば、それぞれの内固定材料を用いた実際の症例写真を見ることが出来ますが、勝手にここに載せるわけにはいかないので、以下の説明では、内固定材料を作っている会社のHPやPMDAのサイトから商品説明や添付文書をお借りしています。
ハンソンピン
ハンソンピンを用いた骨接合術はこのような感じになります。(ハンソンピンの添付文書より)
ハンソンピンのメリットは、比較的低侵襲で術創部痛が少ないことでしょうか。転位の少ない骨折に向いているようです。
cannulated cancellous screw(キャニュレイティッドキャンセラススクリュー)
cannulated cancellous screwによる骨接合術はこんな感じ(ZIMMER BIOMET社のCCSシステムのカタログより)
sliding hip screw(スライディングヒップスクリュー)
sliding hip screw(CHSタイプ)とは、大腿骨頭にスクリューを挿入し、これと結合したプレートを大腿骨幹部の外側に取り付けて骨折部を固定し、骨の癒合を促進する方法です。
うん!ということは、私のはきっとこれだな〜
レントゲン写真の影から推測すると、固定材料はジョンソン・エンド・ジョンソン社のフェモラルネックシステムではないかと思われます。リンク先では、詳しい手技の方法を知ることができます。
(ジョンソン・エンド・ジョンソン社のプレスリリースよりより)
今、左足を確認してみると、太ももの外側に、5〜6センチ程の切開の跡があります。
創部はまだ盛り上がっていて、周辺の筋肉が固くなっていますが、時間経過とともに改善しつつあります。
痛みに関しては、現時点(術後13日)では、創部痛はほぼ無いに等しいですが、膝関節や股関節を曲げた時に強い突っ張り感と痛みを感じます。
術中の操作で、筋肉を避けるために人為的な肉離れを起こしているため、多少の痛みはやむを得ないかなぁと思います
これから、どんなふうに変化していくのか、定期的にご報告できたらと思います