今日は入院中の睡眠について、取り上げてみたいと思いますふとん1


入院経験のある皆さま、入院中って、よく眠れていましたか?!

(私は入院に限らず、旅行とかでも枕が変わると眠れなくなってしまうタイプなので、そんな時のために睡眠薬をいつも持ち歩いております。今回は突然のことなので、持ってきてはいませんが。)



入院生活って、消灯時間が早いし(多くの病院は21時)、日中の活動量が減ってしまうため、普段は不眠でない方でも、入院した途端に眠れなくなってしまうことが多いように思います。環境も大きく変わりますし、不安も強いですからね。



という訳で、大抵は眠れない場合に備えて、睡眠薬が用意されています。

患者さんが入院してくると、医師はその日のうちに病棟指示(こんな症状があった時はこうして下さいというお約束のようなもの)を出します。

その中には、不眠時指示というのも含まれていますので、『なんだか眠れなくて…』と患者さんがおっしゃった場合、それに沿って看護師さんがお薬を持ってきてくださいます。



私が入院した病院では、病棟常備の不眠時薬が3種類用意されていました。

入院当日、不眠を訴える前から、看護師さんのほうから、多分痛みもあって眠れないと思うので、お薬使いますか?と声をかけていただきました。


その時、提示された選択肢はこちら物申す

  1. ハルシオン(一般名:トリアゾラム)
  2. レンドルミン(一般名:プロチゾラム)
  3. デエビゴ(一般名:レンボレキサント)

この中からしいて選ぶとしたら、2番かなぁ…ということで入院後しばらくの期間はレンドルミンを内服することにしました昇天



ちなみに、1番のハルシオンと2番のレンドルミンは、同じ系統(ベンゾジアゼピン系)のお薬で、その違いは作用時間の長さ(ハルシオンは超短時作用間型、レンドルミンは短時間作用型)です。

この2つは比較的効果がはっきりとした睡眠薬ですが、依存や耐性の問題もあり、私は個人的には(自分が処方するのは)好きではありません凝視

これらの薬をずっと飲んでいる方が、突然やめる事態に陥ると、反跳性不眠といって不眠が悪化しますネガティブ(とはいえ、もちろん必要な時は出します。漫然と続けず、頓服で使うにはいい薬かなと思います。)



3番のデエビゴお薬は新しいタイプの睡眠薬で、脳内で覚醒を維持するオレキシンの働きを弱めることによって、入眠を促したり睡眠を深く維持するお薬です。

依存、耐性、反跳性不眠がなく、自然に近い眠りを促してくれるすごくいいお薬だと思うのですが、過去に試してみたら、私の場合は副作用が強く出てしまいました。

薬の効果や副作用には、個人差は付きものですが、悪夢を見てしまう、翌朝にすごく眠気が残るという副作用の頻度がそこそこ高いように思います。

(でもこちら、合う人にとってはとても良いお薬ですよ!)




さて、数日間はレンドルミンを試してみましたが、飲まないよりはマシだろうけど、あまり寝られませんでしたショボーン(おそらく痛みが原因かとあせる

念のためトリアゾラム、デエビゴも1回ずつ試しましたが、同じでしたぐすん



ちなみに、私がもともと頓服で使っていた睡眠薬はマイスリー(一般名;ゾルピデム)でしたが、この薬は術前と術直後には使えませんでした。

拮抗薬(その薬の効果を打ち消す薬)がないため、術後せん妄のリスクが高まるという理由だそうです。

今はもう、術後経過も良好ということで、晴れてマイスリーを処方いただけることになり、毎晩これを使ってそこそこ眠れていますニコニコ




ちなみに、マイスリーも依存、耐性、反跳性不眠を起こす薬ですので、漫然と飲み続けたくはありません。

という訳で、睡眠を改善する秘訣をびっくりマーク


より良い睡眠を得るために

規則正しい食事と、日中の適度な運動を

寝る前にものを食べると、消化管が活発に活動してしまうため、眠りの妨げとなります。また、日中に適度に体を動かすと、夜の眠りを安定させてくれます。入院中、可能な方は少しでも体を動かしてみましょう。

眠くなってから布団にはいる

入院中は消灯時間の関係もあり難しいかもしれませんが、それ以外ならば、あまり寝る時間にこだわりすぎない方がスムーズに寝付けると思います。

起床時間を一定に

眠れなかったからといって、寝溜めは良くないです。睡眠時間を調整する時は、起床時間を揃えることで、だんだんと夜眠れるようになっていきます。

朝日を浴びて体内時計をリセット

起床後はなるべく早い時間に朝日を浴びるのが良いです。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、夜になると自然と眠気を感じられるようになります。

夕方以降のカフェインは控える

カフェインは覚醒物質のため、寝付きが悪い方は夜にカフェインを多く含む飲み物を避けた方が良いでしょう。コーヒー、紅茶、緑茶などです。

寝る前にモニターやスマホなど明るい光をみない

夜に強い光を浴びると、体内時計が狂い、本来眠くなるはずの時間に目が冴えてしまいます。不眠の方は布団の中でスマホを操作するのを控えたほうが良いでしょう。

​昼寝をしすぎない

日中に良く寝てしまうと、夜に眠くなりにくくなってしまいます。どうしても昼寝をするなら、15時までの間で、30分以内の昼寝を心がけましょう。



だいたい、いつもこんな感じの内容を不眠で悩む患者さんにお伝えしています。

あとは、睡眠を妨げている原因を取り除くのも大事です。(例えば痛みがあれば、積極的に鎮痛剤を使って緩和するなど。)



とはいえ、上記のより良い睡眠を得るための秘訣、入院中は全てを実績するのが難しいかなと思います。

必ずしも睡眠薬=悪という訳ではないので、状況に応じて適切な睡眠薬を選択して、少しでも良い眠りを確保することが大切なのではないかなと思いますにっこり