これまで、道路沿いに雑草のように時々咲いているヒメヒオウギ(オレンジ、ピンク、白)は、何度も写真を撮っていたのですが、ヒオウギの写真を撮るのは初めてです。ネットで情報を調べてみました。
「ヒオウギは、日本にも自生しているやや大型の夏咲き宿根草です。厚みのある剣状の葉が何枚も重なり合い、扇を広げたように見えることから、この名前で呼ばれます。力強く端正な草姿で、古くから庭植えや生け花材料として親しまれてきました。主に栽培されているのは草丈が低く、ヒオウギの変種とされるダルマヒオウギで、茎葉が反り返るように湾曲する生け花向きのものなど、いくつかの品種や系統があります。花は一日花ですが、次々と咲き続けます。花後に袋状の大きなさやができ、熟すと割れて、中から5mmくらいの黒いタネが出てきます。タネはしばらく落ちずに残るため、ユニークな花材として利用されています。」(趣味の園芸)
「タネは黒色で、射干玉(ぬばたま)、または烏羽玉(うばたま)という。別名、タネが黒いことから烏扇(からすおうぎ)とも言われている。」(季節の花300)
「・ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木(ひさぎ)生(お)ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く 万葉集 山部赤人
・ぬばたまの 夜さり来れば巻向(まきむく)の 川音(かはと)高しも 嵐かも疾(と)き 万葉集柿本人麻呂
・茜(あかね)さす 昼は物思(も)ひ ぬばたまの 夜はすがらに 哭(ね)にみし泣かゆ 万葉集
・”ぬばたまの”は、黒に関連のある「夜・夕・髪」などにかかる枕詞(まくらことば)として用いられる。」(季節の花300)
花も綺麗ですが、ヒオウギの種の黒さが、古代の歌の枕詞になっていることを知りました。