最近、教育番組でも、オノマトペという言葉がよく使われています。自分が先生を始めた頃は、擬音語・擬態語と、国語の教科書には書かれていたと思うのですが、いつ頃からオノマトペと言うようになったのかと、疑問に思っていました。

 ネットで調べると、「擬音語・擬態語の名称変遷について」(中里理子/平成19年/上越教育大学研究紀要)の論文を見つけました。内容を少し引用させてもらい、学ぶことにしました。

・現在は名称として「擬音語・擬態語」が一般的であるが、「擬音語」が広まる以前は「擬声語」が多く使われていた経緯があり、「擬態語」は「擬容語」という名称も提唱されたことがある。

・元来、擬声語はギリシャ語Onomatopoeiaの訳語で、広く擬態語を含む述語であった。

・「オノマトペ」は、1960年代に文学作品のオノマトペ研究をしていた小嶋孝三郎氏によって提唱されている。小嶋氏がこの名称を用いた当時は他にほとんど使用されることなく、一般的には依然として「擬声語」「象徴語」等の総称、あるいは「擬音語・擬態語」という併記の形が取られていた。これは、一つには、日本語の大きな特徴であるこの語群を、「オノマトペ」という外来語ではなく本来の日本語で表現しようとする意識が強かったためではないかと推測される。

・近年「オノマトペ」という名称が広まったのは、外来語に対する抵抗感が薄れてきたこと、言語学用語で国際的に通じやすいこと、また、短い拍数で発音しやすいなどが、その理由に挙げられるだろう。さらに、「オノマトペ」という語は、それ自体日本語として何の意味も表さず、ただこの語群をまとめて表す記号的な語であることも、広い範囲で抵抗感なく受け入れられた理由の一つであろう。

・タイトルに「オノマトペ」「オノマトペア」を含む論文は、1960年代には13本(うち12本が小嶋孝三郎氏の論文)、70年代に6本、80年代に20本、90年代に60本、2000~2006年までは166本となっており、オノマトペ研究の広がりとともに、総称としての「オノマトペ」が広まっている様が窺える。

・現在では総称として「オノマトペ」という名称が定着しつつある。

 

 いつ頃から、どのような経緯で「オノマトペ」という用語を使うようになってきたのかが分かりました。しかし、オノマトペと言わないで、何か日本語で表記してほしいとは、やはり思います。

 

♫ 孟宗竹(もうそうちく) ♫