『天才たちの日課』の本は2冊借りていて、一冊目の副題は、「クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々」2014で、もう一冊が、「自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常」2019というものです。2014の本の「はじめに」には、次のように書かれています。
「私はここ1年半のあいだ、平日はほぼ毎日5時30分に起き、歯を磨いてコーヒーをいれ、机の前に座って執筆を始めるということを繰り返してきた。書いていたのは、過去400年間の偉人たちが、私がいまいったようなことに、どう対処してきたかということ、つまり、偉人たちは最高の仕事をするために、毎日どう時間をやりくりしていたのか、創造性を高め生産性をあげるために、どんなスケジュールを組んでいたのか、ということだ。彼らの日常のごく平凡な事柄、何時に寝て何時に食事をし、いつ仕事をしていつ頭を悩ませていたか、を書くことによって、その性格や生涯について新たな視点を提供し、習慣の奴隷としての姿を、小さなおもしろい絵に描くのが目的といっていい。」
本当に面白い本です。作者が書いているように、「表面的で軽い内容の本だ」というのは、その通りのようでした。それぞれ偉人の成果や仕事、偉大さを書いた本ではありませんでした。ちょっとした、週刊誌のネタのような本でしたが、160人にも及ぶ、天才達の生活リズムは、とても興味のあるものでした。ベーコン、ボーヴォワール、モーツァルト、ベートーベン、キルケゴール、ヴォルテール、フランクリン、ショパン、フローベール、ロートレック、マルクス、フロイト、ユング、マーラー、マティス、ミロ、ヘミングウェイ、ミラー、フィッツジェラルド、フォークナー、村上春樹、モリソン、スキナー、エドワーズ、ジョンソン、カント、カフカ、ジョイス、プルースト、サティー、ピカソ、サルトル、モーム、デカルト、シューベルト、ホッブス、リスト、パルザック、ユーゴー、ダーウィン、アインシュタイン、トルストイ、ウォーホル、ポロック、アシモフ、キング、・・・、私でも知っている有名人、天才たちばかりです。作曲家、画家、小説家、政治家、科学者、思想家、詩人、哲学者、映画監督、建築家・・多方面の方々を取り上げています。天才と言われる人たちも、寝て、食べて、悩んで、考えて、行動して、生きています。私たち常人と同じように流れる時間を、どのように活用して、創造性を発揮しているのかを垣間見ることができました。とても、面白い本でした。