『データとAIがもたらす教育革命 学びを変えるラーニングアナリティクス』2023 を読みました。緒方広明さんは、すごい研究者です。コロナ感染拡大時、教育委員会は、各学校教育現場にパソコンを一気に配布しました。しかし、あまり有効利用が進められていませんでした。緒方さんは、その教育システムの研究開発をされています。かなり難しい本でした。私は、学校現場側の人なので、なかなかシステムのことは分からないのですが、やろうとされていることは理解できます。子ども達がもっと、パソコンを学習道具として活用し、自ら学びを進められるようになって欲しいと、思っています。自分の生活を見ても、パソコンなしでは、何も仕事が進まない状況になっています。

 緒方さんも書かれているのですが、学校現場は、明治期以来ほぼ同じ、黒板に先生が書いて、子どもがそれをノートに書くという学習形態を続けています。本当に恐ろしいほど、学びの改革が進んでいない状況がそこにはあります。小学校ではまだいいとしても、高校、大学でもこのようなことをしています。教育の改革を、高校、大学で真剣に取り組まなければ、日本は、世界から、研究開発分野で遅れをとるように思われます。優秀な人材が世界から集まってくるような、高等教育にしなければいけません。安い労働力を得るための職業訓練もいいのですが、研究分野、大学に外国人が競ってやってくるようにしなければいけません。政府が、重点項目として取り組んで欲しい所です。

小学校では、パソコンは検索ツールをメインとして、教科書、参考資料のデジタル化を進めて欲しいものです。さらに、記録、通信、交流、練習問題、テスト、などもパソコンで進められるようになってほしいと思います。世の中全て、そのように進んでいるのですが、教育現場だけ、取り残されているというような状況なのです。子どもは適応能力が高いので、すぐに使いこなします。しかし先生は、保護者から、世間からのクレームが怖いので、出来ない家庭はどうするか、ネット環境が揃っていないので全員で取り組めない、指導要領のしばりがある、などと、いつも及び腰です。スマホが今ではどこでも繋がるので、ネット状況は大丈夫です。真剣に、AIを活用した教育改革を、どんどん進めて欲しいものです。

 

 

 

♫ 螢 ♫