1960年、ミヒャエル・エンデは、最初、絵本として書き始めたのですが、10ヶ月かけて500ページもの長い物語になってしまったということでした。『ジム・ボタンと13人の海賊』を合わせて出版のために10社以上もの出版社を回って、やっと1社(ティーネマン社)から、正・続2巻に分けて出版出来ることになりました。1巻目が出ると、たちまち子ども達の大歓迎を受けて、エンデは、処女作でドイツ児童図書賞と、国際アンデルセン賞を獲得しました。劇場で上演されたり、テレビの人気番組になったりもしました。その後、1973年『モモ』、1979年『はてしない物語』を書いています。

 

 <年譜>を調べました。

1929年11月12日 - バイエルン州のガルミッシュ=パルテンキルヒェンで生まれる。

1961年 - Jim Knopf und Lukas der Lokomotivführer (日本語訳:『ジム・ボタンの機関車大旅行』)がドイツ児童文学賞をとり、生活が安定。

1964年 - 8歳年上のインゲボルク・ホフマンと結婚。イタリア移住。

1973年 - Momo (日本語訳:『モモ』)完成。

1974年 - Momo で二度目のドイツ児童文学賞受賞。

1977年 - 初来日。能・歌舞伎を鑑賞。禅僧と対談する。

1979年 - Die unendliche Geschichte: Von A bis Z (日本語訳:『はてしない物語』)完成。

1985年 - 妻インゲボルク・ホフマン死亡(享年63。ミュンヘンに戻る。周囲にドイツ語を話す人がいなくなったことが帰国理由。

1989年 - 「エンデ父子展」のため再来日。『はてしない物語』の翻訳者佐藤真理子と結婚

1995年8月28日 - 胃癌のため、フィルダーシュタットで生涯を閉じた。65歳没。葬儀はミュンヘンのキリスト者共同体で執り行われた。

 

 今回読んだ『ジム・ボタンの機関車大旅行』は、とても素晴らしいファンタジーの大作でした。しかし、まだ半分です。続きの『ジム・ボタンと13人の海賊』も、読もうと思います。『モモ』は読んだことがあるのですが、子ども達が、小学生の頃に、このような素晴らしい大作を読むという経験をすると、本当に賢く育つきっかけになるなと思いました。自分は、こんな素晴らしい大作を子どもの頃、読んでこなかったことを、今頃になって反省しています。