自分の生活と重なるような、身につまされる物語でした。主人公は、図書館の司書に支えられながら、夢を読むことを、毎日のしごととしていました。私は、日々の行動や教育に関わる考え(ゆめ)の記録をすることを、今も、また、かつても、毎日のしごととしてきているようです。何の為にと問われれば、よく分からないとしか答えられないのですが、毎日毎日、日々の考えや発見や行動を書き続けてきました。学級だより、学年だより、理科だより、研究指導案、教育雑誌の原稿、学会発表、教科書の原稿、学校だより、晴歩雨読、山河遊歩、・・・。夢を読む、と、夢を書く。同じ表現だなと思いました。日々の記録を、仮想の空間にある、仮想の図書館に並べてきたのが、自分の生活だったのかもしれないと、この物語を読んで気づかされました。

 つい最近までは、具体的な印刷物としてファイリングしていたものを保存してきたのですが、やっと全て、実体は手元からなくしました。今は全て、不確かな壁の向こうにある、仮想の図書館(ブログ)に、影だけが並べられて保存されています。まだ書き続けている側のつもりですが、いずれは、これまでの夢を読んで懐かしむだけになるのかもしれません。