「地球に降り注ぎ、生命の材料となった可能性」・・「日本の探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料に、様々な有機物が含まれていたとする2本の論文が24日、科学誌「サイエンス」に掲載される。九州大などのチームは、アミノ酸などの有機物が約2万種類含まれていたことを発見。広島大などは酸にも溶けない黒色の有機物が大量に存在することを見いだしたという。こうした多様な有機物が、リュウグウのような小惑星から形成初期の地球にもたらされ、生命の誕生につながった可能性があるという。2チームの論文によって、リュウグウ試料の初期分析を進めてきた計8チームの主な成果が出そろった形だ。

 九大の奈良岡浩教授(有機宇宙地球化学)が率いる日米欧のチームは、リュウグウの試料を詳しく分析。約2万種類の有機物のうちアミノ酸は20種類見つかり、中には生命のたんぱく質の材料となるアミノ酸5種類が含まれていたという。アミノ酸には、構成元素が同じでも「右手型」と「左手型」という構造の違いがあり、地球上の生物はほとんど左手型を使っている。今回見つかったアミノ酸は両方の型の量が均等だったため、宇宙で作られたことが確実だという。

 また、広島大の藪田ひかる教授(宇宙化学)らのチームは、複雑な分子構造をした黒い有機物が試料に多く存在することを発見した。この有機物は、水を豊富に含んでいたリュウグウの元となった母天体でできた可能性があるという。藪田教授は「こうした有機物が初期の地球に降り注ぎ、生命の材料となった可能性がある」と話す。

➔リュウグウの元となった母天体というのが、気になります。そのような惑星が、地球と火星の間に存在していた可能性を示しているのでしょうか。

 

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