斎藤孝さんが大学入試に失敗して、一年間予備校生活をしていた頃から、大学院で博士論文を書いていた頃、そして、その後10年間、定職に就けなかった生活について書いています。自分に自信がなく、周りにきつく当たる性格を自己分析している本でした。現在60歳を過ぎて、精力的に本を書いて、講演や、テレビの番組作りにも関わったり、コメンテーターとして出られたりしている様子からは、考えられないような若い頃の生活です。自信が持てなかった自分から、どのように立ち直っていくかを書いています。「右手に論理的思考力、左手に生命力を併せ持とう」ということが大切だということです。自信の元、①それは確かな技術なのだそうです。他にも、②才能ある・なしは「疲れない」ことがポイント、③意識を外にむけさせる対象を持つ、④精神を支えてくれる存在を持つ、⑤積極的受動性で現実を受け入れる、⑥チャンスの波に乗れる反応する身体を持つ、⑦褒められたら否定しない、⑧不利な状況を引き受けることで花開く才能もある、⑨自分の人生の舵取りは自分でする、などなど。考えさせられる本でした。