夕方から齋藤孝さんの本を読みました。ニーチェの『ツァラトゥストラ』からの言葉を見いだし、自分の言いたいことや経験を語っていくような文章の作りになっています。何度も『ツァラトゥストラ』を読み、ニーチェの思想を生活の一部として読み込み、書かれた本です。我が家にも、『ツァラトゥストラ上・下』が、2セットもあります。なぜ2セットもあるのか思い出さないのですが、読み切った記憶はありません。齋藤孝さんは、座右の書として何度も何度も読み込んでおられるようです。齋藤孝さんの書かれたこの本は、ニーチェの紹介でもなく、また『ツァラトゥストラ』の本の紹介でもありません。ニーチェの言葉の解説を直接するのではなく、そこから感じられる自分の体験や精神を具体的に書いてくれています。このところが、齋藤孝さんの本の素晴らしさだと思います。生き方、からだの状況、人間関係など、人生のための書だと具体的にしめしてくれています。
『座右のニーチェ』は、第一章 一本の矢になれ、第二章 一瞬を生きよ、第三章 肉体の声を聞け、第四章 過剰を贈れ、第五章 クリエイティブに生きろ、と5つの章立てをして、書き進められています。今回齋藤孝さんの本を読んで、ニーチェが、エッセイ・戯曲のように書いているこの『ツァラトゥストラ』を、あちこち、気に入った項目から読んでみるのもいいかなと思いました。『ツァラトゥストラ』は、「ニーチェが「人類への最大の贈り物」「ドイツ語で書かれたもっとも深い作品」と自負した永遠の問題作である。」ということです。