一日中雨が降りました。雨だったのですが、北図書館で予約をしていた「つちはんみょう」という本が他の図書館から届いていたので、借りに行きました。ツチハンミョウの生活を8年間研究された館野鴻さんが、自分で絵本を書いていました。すごい内容だったので、まとめてみました。
ツチハンミョウは、10月から11月ごろ成虫が生まれて冬の間活動して、春に卵を4000個ほど土の中に産みます。一ヶ月がたち小さな幼虫が地面から地上へ這い出してきて、近くにあるコハナバチの巣穴近くに集まります。羽化したばかりのコハナバチが巣から出てくると、生まれたてのコハナバチの体にとりついて花へと移動します。コハナバチが花にたどり着くと、コハナバチは体に取り付いていたツチハンミョウの幼虫を足で掻き落とします。ツチハンミョウの幼虫たちは、花に散らばります。コハナバチをなぜ選ぶのかはよく分からないのですが、地面から花への移動にコハナバチを使っているようです。次に、花へ移動できたツチハンミョウの幼虫たちは、花のおしべに移動して、飛んできたいろいろな虫の体にしがみついて、あちこちへと散らばっていきます。あちこちの花で、丁度、ヒメハナバチに出合ったツチハンミョウの幼虫は、ヒメハナバチの巣にたどり着きます。ヒメハナバチは、地面の中の巣で花粉団子を、作りその花粉団子の中に卵を一つ産み、巣穴を塞ぎます。その時、花粉団子と一緒にツチハンミョウの幼虫も穴の中に閉じ込められます。しばらくして、卵からヒメハナバチの幼虫が孵化してきたとき、ツチハンミョウの幼虫は、その孵ったばかりのヒメハナバチの幼虫を食べます。その後しばらくは、花粉団子を食べて大きくなり、花粉が無くなると、再び近くのヒメハナバチの幼虫が育つ穴に潜り込み、また、ヒメハナバチの幼虫と花粉団子を食べてさらに大きくなります。その後、ツチハンミョウの幼虫は、自分の部屋を作り、硬いからだになって夏を過ごし、夏が終わる頃さなぎになります。秋になると、そのさなぎからるり色のツチハンミョウの成虫が現れ、地上に出て冬を越します。
ツチハンミョウは、コハナバチによって花へ運ばれ、ヒメハナバチに取り付いて巣の中に入り込み、花粉やヒメハナバチの幼虫を食べて成虫になることが分かりました。また、ツチハンミョウの成虫は冬に活動をして春に卵を産み、孵化したツチハンミョウの幼虫は、夏の間にヒメハナバチの巣の中で幼虫が育つことも分かりました。