エリック・ホッファーは、幼い頃に、英語とドイツ語を習得し、しかし、7歳の頃原因不明の失明により初等教育を一切受けられない状況となりました。15歳の時突然視力が回復したものの、18歳の時両親が亡くなり、天涯孤独の身となって、日雇い労働で生活を続けるようになりました。29歳の時モンテーニュの「エセー」を片手に季節労働者として各地を転々と渡り歩き、39歳のときサンフランシスコの沖仲士(船から荷物を下ろす仕事)をしながら論文の執筆を始めました。雑誌「コモン・グラウンド」に文章が掲載され、その後、処女作「大衆運動」が出版されました。晩年には、UCLAバークレー校で、講義をするようにもなりました。これまで何冊か、エリック・ホッファーが書いた本を読んでいます。ある程度お金が貯まると、本を読む生活をして、また、お金がなくなると沖仲士の仕事をするという生活をしながら、哲学を極めました。生きていく上で必要なだけお金を稼ぎ、お金が貯まると、例えば一ヶ月間仕事をやめて読書に集中するというような生活でした。今回読んだ、荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために』の本は、エリック・ホッファーの紹介から入り、同じような日本の在野の天才研究者の生き方を紹介していました。しかしやはり、エリック・ホッファーの、誰にも頼らず、静かに、そして学びに集中した生き方はすごいと再確認しました。