今日は、大阪市立自然史博物館まで歩いて行き、特別展「植物」を見ました。少し、入場料は高いのですが、最先端の植物研究の様子が分かりやすく展示されていました。

 

 

 地球上でシアノバクテリアが見られる西オーストラリアのシャークベイには、かつて行ったことがあるので、ストロマトライトの展示を見ていてうれしくなります。主な解説の写真を撮ってきているので、それらを見ながら活字にしてみました。自分で打ち込みながら、そんな事が書かれていたのかと、家に帰ってから納得しました。

 

①    全生物は約43億年前に誕生した1つの共通祖先から起源したと考えられている。約19~12億年前、DNAを覆う核膜を獲得した真核生物が現在の植物・菌類・動物などの祖先となった。植物は単細胞の真正細菌であるシアノバクテリア(藍色細菌)という光合成生物を体内に取り込んで葉緑体にしたことで光合成を行えるようになった。シアノバクテリアを1回だけ取り込んだ植物を「一次植物」といい、陸上植物などが含まれる。一方、一次植物を取り込んだ植物を「二次植物」という。

②    一次植物・・コケ植物、維管束植物(小葉植物・シダ植物・裸子植物・被子植物)

二次植物・・ミドリムシの仲間、褐藻・珪藻の仲間

 

 

③    植物の祖先が陸上に進出したのは、古生代オルドビス紀の中頃、遅くとも今から約4億7000万年前のことであった。植物の上陸は、それまで裸地だった地表での物質サイクルを変え、地表の風化を促進するとともに、土壌を形成し、のちに上陸する動物たちの生きる環境を整えていった。植物がこのタイミングで上陸したのは、この時期に活発化した火山活動によって栄養にとんだ火山灰がもたらされたことに関係する可能性が指摘されている。

 

 

④    小葉植物とシダ植物を合わせて「シダ植物」とすることも多い。本展では区別して扱った。小葉植物にはヒカゲノカズラ類・イワヒバ類・ミズニラ類が入り、シダ植物には、トクサ類・薄嚢シダ類・ハナヤスリ類・マツバラン類が分類されている。

 

 

⑤    地球上には、太陽から光が降り注いでいる。私たちは、光を目で認識し、情報として景色を見ることができるが、エネルギーとしては使えない。光合成をする生物だけが、光をエネルギーとして使うことができる。太陽から地表に降り注ぐ光エネルギーは、その1時間分だけで、人類のエネルギー消費の1年分をまかなえる量がある。この莫大な光エネルギーのうち、約0.1%が地上の植物の光合成によって有機物のエネルギーへと変えられる。

 

 

⑥    酸素発生型の光合成は、30億年ほど前までに現れたシアノバクテリア(藍色細菌)により地球上に生み出された。約15億年前、シアノバクテリアが別の単細胞生物に取り込まれ、葉緑体が誕生した(一次共生)。一次共生により生まれた藻類は、その後、別の生物に取り込まれ、二次共生藻類に進化した。藻類は、これら光合成生物の総称である。なお、陸上植物は、全て一次共生藻類から進化した。

 

 

⑦    光合成とは、ほぼ無尽蔵にある水と光を使ってエネルギーを生み出し、大気中の二酸化炭素を有機物(食べ物)に変えることで、私たちの暮らす環境を作っている。地球の炭素を循環させる原動力であるとともに、酸素も作り出す。光エネルギーを吸収して化学エネルギーに変換し、ATPとNADPHという物質に蓄える。この化学エネルギーを使って、二酸化炭素から有機物が作られる。光合成の基本的な反応は、シアノバクテリアから陸上植物まで共通している。