ニワトリの青い卵 2021年12月29日 こぎつね研究室

 

 

 ニワトリの青い卵を頂きました。一個、とても高価なものらしいのです。卵の殻は青いけれど、中の卵黄は、それほど違っていないような気がします。

 ちょっと、ネットで調べてみました。

 「詳しく販売サイトに目を通すと、この卵は「あすなろ卵鶏」というニワトリのものらしい。そして家畜改良センターによると、「あすなろ卵鶏」は青森県が開発したニワトリなもよう。アローカナというチリ原産の青い卵を産む種類のニワトリを、白色レグホーンと交配させて作るらしい。試しに青い卵を割ってみると、殻の内側までちゃんと青かった。そして普通の白い卵よりも殻が硬い気もする。ではあらためて、なぜ青いのだろうか? 「アローカナの性質由来」で終わってもいいが……いや駄目だ。それでは根本的な答えになっていない。なぜアローカナの卵は青いのかが気になる。ということで調べてみると、やはり疑問に思う人は世界中にいたようで、それなりに研究もなされてきたようだ。90年代にはダチョウとニワトリとの混血であるとする説や、単なる突然変異であるとする説があったようだ。そして2000年代に入ると、青い卵を産むニワトリたち(アローカナの他にもいるもよう)は内在性レトロウイルスによるものであるとする研究結果が、イギリスのノッティンガム大学や中国農業大学の研究者たちから出されている。特に中国農業大学のチームは、ニワトリが属する全てのキジ科ヤケイ属の遺伝情報を解析し、アローカナ種がレトロウイルスに感染したのは家禽化したあとの出来事であることを支持する発見もしているもよう。筆者個人は、現状ではこのレトロウイルス説が一番有力であるように感じた。ちなみにレトロウイルスとは、簡単に言うと感染した宿主の細胞内で自らのRNAをもとに逆転写と呼ばれるプロセスを経てDNAを合成し、それを宿主のDNAにブチ込んでくるタイプのウイルス。身近なところでは、エイズの原因となるヒト免疫不全ウイルスもこの仲間。そして内在性レトロウイルスとは、生物の生殖細胞の遺伝情報に含まれる、レトロウイルス由来と考えられるDNA配列のこと。これはレトロウイルスに感染した祖先が子孫を残した際に、レトロウイルスがブチ込んだDNA配列が代々受け継がれ、その生物に定着したものだと考えられている。「ウイルス」とついているとなんだかヤバそうに思えるかもしれないが、我々人間のゲノムも、およそ8%は内在性レトロウイルスであるとされている。筆者も本記事を読んでいる見知らぬあなたも、内在性レトロウイルスフレンズ。青いがゆえに研究されまくってきたアローカナの卵。もちろん成分についても研究は行われていた。結論を述べると、違いは色だけなようで、アローカナの卵が他の卵よりも栄養価が高いとは特に言えないと思う。また、ときおり見かけたスペシャルなパワーがあるとか、幸運を呼ぶという主張についても、根拠は見つけられなかった。栄養価については、1977年にアローカナの青い卵は普通の卵よりプロテイン含有量が高く、コレステロール値は低いとする研究結果が出ていた。アローカナの卵の有利性をアピールする企業やメディアによって、よく彼らの主張の根拠とされている定番的なものだ。しかし2019年に出た、アローカナの青い卵とレグホーンの卵、そして種族不明の市販の卵を比較する研究結果では、プロテイン含有量に有意の差は見られず、コレステロール値はアローカナがわずかに高いという結果が。」(江川資具のレポートより)

 

 こぎつね幼稚園で見かける、青いダンゴムシを思い出しました。青いダンゴムシは、ウイルスに感染している、ダンゴムシのようです。