■スクミリンゴガイ 2021年2月13日 金岡高校北側田んぼ地域
冬の田んぼは、水が抜かれて乾燥しています。その地面に、大きな貝殻が落ちていました。スクミリンゴガイです。田んぼの中に入って確かめていないので、その貝が生きているのか、貝殻になっているのか分かりません。スクミリンゴガイの冬越しについて調べてみました。
「鰓呼吸だけでなく、肺様器官で空気中の酸素を利用して乾燥に強く、乾期などに水中から離れても容易には死亡しない。耐寒性はそれほど高くなく、日本で越冬に成功する個体の大半は、殻高1 - 3センチメートルの幼体である。寿命は環境により変化するが、日本の野外で2年以内、飼育下では4年程度と見られ、天敵は魚類、鳥類、捕食性水生昆虫、大型甲殻類、カメである。」(Wikipedia)
「スクミは、室内では4年生きた例があるものの、日本の水田では基本的に2シーズンしか生きないようです。夏に生まれた貝が秋までに殻高1~3cmになり、そのまま土中で越冬します(それより小さな貝はほとんど越冬中に寒さと乾燥のため死亡します)。越冬貝は翌年の春に水田に水が入ると活動を再開して夏に盛んに繁殖し、生き延びた貝は秋に土中に潜りますが、大きな貝は土に潜るのが下手で、その結果寒さに弱く冬の間にほとんど死んでしまいます。稲や麦の作付けに伴う耕うん作業も、貝殻に傷をつけるため、大きな貝の死亡の原因となっています。」(農研機構)
「・ 摂食活動は水温 15~35℃で行い、14℃以下では活動を停止し、休眠(越冬)する(Estebenet and Martín, 2002)。
・ほ場や用排水路で土中に潜って越冬し、越冬個体は約 8 割が地表から深さ 6cm以内に分布する(高橋ら, 2002)。
・ 寒さに弱く、越冬率は九州で 5~10%(大矢ら, 1987)。茨城県より北では越冬できないとされる(Ito, 2002)。暖冬の年は越冬率が上がり、静岡県焼津の水田内で 60~90%の越冬率を示した事例がある(静岡県農政部資料)。
・ 殻高 1cm未満の貝は低温と乾燥に弱く、殻高 3cm以上の貝は土にうまく潜ることができないため、越冬率が低くなる(Wada and Matsukura, 2007)。
・ほ場では、収穫後に稲わらがあると、温床効果で越冬率が高まるとされる。
・気温が上昇し、水田に水が張られると活動を開始する。」(農林水産省消費・安全局植物防疫課 令和2年10月)