7月6日(土)に予定していたツバメのねぐら入りの観察会は、雨のため1週間延期して、7月13日(金)に開催しました。午後5時30分ごろから6時15分の間、平城京跡の北西の駐車場に集合して、明るい間は、みんなで虫取りをしました。コシアキトンボ、ギンヤンマ、イトトンボ、アカバネオンブバッタ、ショウリョウバッタ、イナゴ、トノサマバッタ、コオロギなど、多くの昆虫を子ども達は採集することができました。子どもの虫網や飼育ケースを見ていると、多くの子どもは新しいものを持っています。家で虫取りをしていないのでしょう。幼稚園では、幼稚園の虫網を使っている子ども達ですが、家ではあまり虫取りをしていないことが分かります。今回の経験を機会に、虫取りが、夏休みの遊びになってもらえたらうれしいなと思いました。
3歳から小学生までいろいろな年齢の子どもが来ていますが、自分でバッタを捕まえたことがない子どもも多いようです。きつねTが持参の大きな虫取り網でバッタを捕まえて、一匹ずつ入れてあげました。入れてもらった子どもは、「お母さん、バッタ捕まえてもらった。」中には、「バッタ、つかまえたよ。」と、喜んで母に見せにいきます。虫網の使い方、虫網からバッタの取り出し方、飼育ケースへの入れ方など、子ども達は本当によく見ています。きつねTは、次々に到着する子どもに対応していくので、同じこぎつねにずっとついてあげることができません。集合場所に到着したこぎつねは、「きつねせんせー」と言いながら寄ってきてくれます。かなりのこぎつね達に、バッタやシジミチョウやイトトンボなどを捕まえて、飼育ケースに入れてあげることができました。勿論、こぎつね達は、その後、自分で次々と、バッタ取りを楽しんでいます。楽しい40分間ほどの虫取りでした。中には、こぎつね小学校ではない子どもがいたようで、「きつね先生ですか?」「はい、私がきつね先生です。」と、不思議なやりとりをした子どももいますが、しばらくすると、他の子ども達と一緒に「きつね先生、ショウリョウバッタとオンブバッタは、どこが違うのですか。」と、聞いてくれていました。
太陽が西の山に近づき、夕暮れが迫ってきました。いよいよ、ツバメのねぐら入りの観察場所に移動です。駐車場から15分ほど、また、虫取りをしながら移動をして、ツバメがやってくるのを待ちました。とっても綺麗な夕焼けです。毎日、ツバメを観察されている先生も、こんなにきれいな夕焼けは珍しいと言っておられるぐらいです。
午後7時になりました。ツバメのお話を、I先生と野鳥の会の方から伺いました。ツバメは、奈良盆地のあちこちからこの平城京跡のねぐらに集まってきているようです。生駒で観察されている方の報告では、生駒の山を大阪側から越えてきているツバメもいるということです。ツバメは、日本にわたってきて2~3回、子育てをするようです。巣立った子ツバメは、一週間ほどで、ねぐらに集まって生活をすると言っておられました。ツバメは、8月半ばになると、南の国へ渡っていくのですが、各地のねぐらをつなぐように沖縄へ続く列島を渡るということを聞きました。ということは、8月半ばごろになると、奈良盆地全体からのツバメだけでなく、北海道、東北、関東からのツバメも混じってきて、次第に南へと移動していくと言っておられました。その移動のきっかけは、気温なのか、日没時間なのかは、不明だということです。もしかしたら、体内時計があって、日没時間を一定にしようとして、次第に南へ渡るというのは、一つの考えかもしれません。
7時25分になりました。上空にツバメが現れるのですが、目の前の葦原のねぐらへは入っていきません。昨日までは、2万羽、その前は4万羽のツバメがこの葦原へ降りてきたということですが、今日は、殆ど降りてきません。子ども達が、懐中電灯を持って走り回っていて、上空からそれを見て警戒したのではないかと思いましたが、野鳥の会の方は、そうではないでしょうと言います。懐中電灯を消してもらって静かに待つ方がよいと思い、何度かお尋ねをしたのですが、今まで、とってもたくさんの人が見ていても、降りてきていたので、その影響はないと言い切られます。結局、近鉄電車の南側の葦原に、今日はねぐらの場所を変えたのではないかという結論でした。いままでにない出来事だったようです。ちょっと残念でしたが、今日は、何万羽ものツバメのねぐら入りを見ることが出来ませんでした。ツバメのねぐら入りは毎日のことなので、平城京跡の近くのこぎつね家族は、また、時間を作って見に来てください。9月まで見ることができます。
7時40分、ちょっと残念ですが、暗くなってしまいましたので、解散しました。虫取り、そして、きれいな夕焼けを、見ることができました。
ツバメの観察会(20180713 平城京跡の葦原前)
夕焼け
赤い飛行機雲
(*^▽^*)