山の辺の道は、春日大社から南へと山の裾を辿るように、くねくねと桜井まで続く35㎞ほどの道です。日本最古の官道といわれています。きつねTは、その距離を一気に歩くことはできないので、いくつかに分けて歩いて、つい最近、ほぼ全てを歩き切りました。

かつては、山の辺の道は、天理の石上神社から桜井への道だと勝手に思い込んでいたのですが、春日大社から始まる北半分の山の辺の道を何度か歩いていると、味わいのある道であることが分かってきました。

 先日、近鉄奈良駅から鹿野園へ至る部分の、山の辺の道を歩きました。東向き商店街を通り、猿沢池と興福寺の間の坂道を登りました。一の鳥居から春日大社本殿へ向かう途中には、万葉植物園や鹿苑があります。4月末、萬葉植物園には、フジの花がとてもきれいに咲いていました。鹿苑では、今年生まれた小鹿が見ることが出来るようです。今回は、時間の都合、小鹿は見ないで、春日大社の二の鳥居の横から、中の禰宜道と言われる森の中の小径を抜けて、新薬師寺へと歩きました。春日大社の森を高畑地域へと抜ける道は、他にも、上の禰宜道、下の禰宜道(ささやきの小径)があります。これらの道も、次は通ってみたいなと思いました。

 新薬師寺の前には、山の辺の道の案内掲示板があります。これまで見たかぎりでは、山の辺の道の一番北側の掲示板です。春日大社の中、または、奈良公園の中にもあれば、それが一番北側の掲示板になるのですが、それにはまだ出合っていません。若草山の下あたりにあるのでしょうか。どうでしょう。

 山の辺の道には、要所要所に道標が設置されていて、地図を持っていなくても迷うことがありません。春の季節のいいころには、一人歩きの方々ともよくすれ違います。とてもいいトレッキングコースだと思います。

 白毫寺への道標があります。白毫寺は、急な坂の上です。4月に歩いた時立ち寄ったので、今回は白毫寺への坂は上がらないで、そのまま南へと進みました。山添村に続く自動車道に出て、東へ100mほど進むと、山の辺の道は、猪や鹿よけの金網に囲まれた農地の間のあぜ道を通ることになります。柵の門の留め金を開けて入ります。初めて通る時は、果たして向こう側の出口は、同じように門から出られるのかなと、かなり躊躇しました。2度目は通り抜けられることが分かっているので、心に迷いなく入ることができました。田んぼはちょうど、田植えが終わっています。道沿いには、ヤブガラシの花が咲いています。今日はあいにくの雨なので、チョウはやってきていませんが、夏にはアゲハなどがよく集まる花です。ヒメジョオンの花には、ベニシジミが雨に耐えてじっと止まっていて、すぐ近くの山並みは雨雲でかすんでいます。静かです。

 囲いのある田んぼのあぜ道を抜けると、医療型障害児入所施設であるバルツァ・ゴーデルの前に出ます。前回通ったときは、入所の人たちが春の暖かい日差しの中、屋外で活動をされていたので、挨拶をすることができました。今日は雨なので、出ておられませんでした。鹿野園町からさらに南へと、山の辺の道は続くのですが、今日は鹿野園のバス停から護国神社へ下って終わりです。護国神社で少し休憩をしました。

 

 

中の禰宜道(20180612 春日大社の森)

 

山の辺の道

白毫寺近く、山すその細い道が続きます

 

(^_^)v