火山のこと
御嶽山が突然噴火をして、多くの方が被害に遭いました。キツネTも、行ったことがあるので本当に驚きでした。大学で火山のこと、そして火山岩のことを学んだので、卒業して教師になってからも、地学教育研究会に参加して、全国の火山を見てきました。
日本の火山は、ハワイのキラウエア火山と比べると、溶岩の粘性が高いので、爆発的な噴火をします。時には火砕流を噴出するような危険な噴火を繰り返します。雲仙普賢岳の噴火では、火砕流が発生するのを見たことがあります。阿蘇火山では、熊本大学の火山学者と共に、噴火中の火山に近づいたことがあります。火山弾が降ってきて怖かったです。伊豆大島や三宅島は、噴火した翌年に様子を見に行きました。昨年流れた溶岩は、まだ熱かったです。ハワイのキラウエア火山やハレヤカラ火山は、とても大規模な火山でした。
溶岩が冷えてできる火山岩には、玄武岩、安山岩、流紋岩があります。玄武岩の溶岩は、ハワイの火山、日本では、富士山が有名です。ハワイのキラウエア火山では、粘性の低い溶岩が火口から流れるのを見ることができます。時には、ハワイでは溶岩の噴水のような状況を、近くまで行って見学できます。しかし一方、日本の阿蘇山、桜島、雲仙、浅間山、蔵王などの火山は、溶岩の粘性が高い安山岩の火山です。粘性が高いと、火口からサラサラと流れるのではなく早々に詰まってしまいます。そのため内部の蒸気圧が高くなり火砕流を噴出するような爆発的な噴火をします。時には磐梯山のように、山体の半分を吹き飛ばす山体崩壊を起こします。大災害になります。
現在、日本では110の活火山が指定されています。またその中の次の47の活火山は監視体制がとられています。雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、秋田駒ヶ岳、吾妻山、那須岳、草津白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、伊豆大島、三宅島、硫黄島、阿蘇山、霧島山、桜島、薩摩硫黄島、口永良部島、諏訪之瀬島、アトサヌプリ、大雪山、恵山、岩手山、栗駒山、蔵王山、安達太良山、磐梯山、日光白根山、乗鞍岳、白山、箱根山、伊豆東部火山群、新島、神津島、八丈島、鶴見岳・伽藍岳、九重山、岩木山、鳥海山、富士山、雲仙岳、倶多楽、青ヶ島です。
噴火した御嶽山も、この警戒を要する活火山の中に含まれています。御嶽山の今回の噴火は、溶岩を噴出するような噴火ではなく、地下水が温められて起こった水蒸気爆発でした。火山学者が、火山灰を採集して調べて、マグマから直接できた火山灰はないと発表していました。
日本は、海洋プレートが大陸プレートの下へ潜り込む場所としてできた付加体です。日本の地下では、常に海洋プレートが年に数センチ動いています。その動きの歪みが溜まって数十年から数百年に一度、大地震が起こります。また、プレートの動きによる圧力と熱エネルギーで地殻の一部が溶けてマグマが作られ、活火山を形成します。大きな地震が起こった数年後、地殻内部の圧力が変化し、大きな火山噴火が起こります。富士山や箱根山や蔵王山や浅間山など、大噴火しないか心配ですね。