「解散」
2010年11月2日、プロストリートボールリーグLegendがHP上で衝撃の発表を行った。
日本初、日本発のプロストリートボールリーグはあっさりと終焉を迎えてしまった。
Legendは今から5年前に開幕した。3on3のハーフコートで試合を行う。
その日限定のチームを作り、個人ランキングでチャンピオンを争う。
ある時は歌舞伎町のど真ん中に、ある時はショッピングモールに
Legendの特設コートが立てられ試合が開催された。
ネットや口コミで人気が広がり、全国ZEPPツアーを開催するにまで至った。
選手のキャリアは様々だった。
中・高・大と全国制覇をしたエリート選手、一度も部活動でのバスケを経験したことの無い選手、
強豪といわれる大学でずっと補欠だった選手、サラリーマンの選手、寺の坊さん・・・。
選手のプレースタイルも様々だった。
小さくても卓越したドリブルスキルのある選手、ダンクをひたすら狙う選手、
泥臭いディフェンスをする選手、得点を取りまくる選手、1on1馬鹿・・・。
個性あふれるキャラクターを持つ選手がいること、それがLegendの魅力の一つだった。
Legendに欠かせない存在がMCとDJだ。
MC MAMUSHIが選手とファンを煽り、DJ MIKOが試合の流れにマッチした選曲をする。
選手の入れ替わりはあっても、MCとDJが変わることは無かった。
なぜ、Legendは解散という結論を出すことになってしまったのか?
SEASON8が終わった時点で、Legendは新しく生まれ変わると宣言した。
新生Legendは競技、ストリート、リーグの垣根を越えた空間を目指した。
それまで屋外を中心に活動してきたLegendだが、新生Legendは屋内のライブハウス
限定で月1回の開催となった。通称「ハコ」と言われるイベントである。
新生Legendにはトップリーグの選手も参加した。JBL、bjリーグから選手が参加することで
バスケ界に重くそびえ立つリーグの壁を取り壊そうとした。
しかし、本来Legendが持っていた自由さ、エンターテイメント性が「ハコ」と呼ばれる
独特の空間では薄れてしまうという反面もあった。
2010.10.24「エピローグイベント」と銘打たれた越谷でのLegendは久々の屋外での
イベントとなった。原点回帰のLegendだが、その後の予定は未定と前もって発表されていた。
この屋外でのイベントを通じて、Legendが感じたことは「美しい思想や気高い使命の前に
ただひたすらにバスケを楽しみたい」という気持ちだったという。
納得の上の「解散」ではない。
「本当にこれでよかったのか?もっと話をするべきだったのでは」
「新しいものを創るには、一度古いものを壊さなければいけない」
「継続していくべきなのでは」
ボーラーそれぞれに感情、意見があった。
日本のストリートボールを引っ張っていったLegendが果たした役割は大きい。
Legendを経て、再び競技バスケのトップリーグへの挑戦をする選手が現れた。
学生時代に挫折を経験した選手がLegendの舞台で大きく飛躍した。
バスケットを知らない層を独特のエンターテイメント性でファンへと取り込んだ。
Legendの解散で改めて、「ストリートボールとは?」という質問を突きつけられた。
ただ純粋にバスケを楽しむことができる場所?
限りなく自由な場所?
高いレベルの競技バスケへと飛躍するための第一歩?
日本のバスケットボール界は「ストリート」という自由であるはずの場所に、
あまりにも重過ぎる使命を背負わせてしまったのかもしれない。
Legendで流れるミュージックは競技バスケの会場においても定番のミュージックとなった。
ネットと口コミだけで観客を増やし続けてきたLegendの存在はある意味でバスケット界の
パイオニアであった。
Legendは「解散」であって「消滅」ではない。
きっと、Legendはまた戻ってくるだろう。
何事も無かったかのように、街のど真ん中にHOOPを立てて・・・。