【2021年コンサート振り返り】コロナの終息がまだ見えない不安定なこの現代だからこそ、バッハの音楽を求める聴衆のエネルギーは計り知れない。「静謐」かつ「泰平」の世界に導いてくれるような「祈り」の音楽。
一音一音が天から舞い降りてくるの一筋の声(囁き)のように、ファウストのヴァイオリンを通してあの広いホールのてっぺんから(おそらく)3階席の後方まで、バッハの旋律が響いたことと思う。バッハのそれも無伴奏ヴァイオリンなんて、そもそもこんな広いホールで演奏するような曲ではない、ということを忘れてしまいそうだ。