ゲヴァントハウスとの付き合いはとってもながーいのに、
いつもライプツィヒは日帰りコースだったために、
夜のエンターテイメントとはなかなかご縁がなかったのだけど、
今回この点においては、ゲヴァントハウスもオペラ座もクリア
することが出来そうです。
出来れば、ゲヴァントハウス管弦楽団&シャイー指揮あたりの
定期公演なんぞにタイミングよく合えばなあと期待していましたが、
うーん、そこまでぴったり希望通りに行くはずもなく・・・
ちょうど、この日は ユンディ・リのピアノコンサートがこの大ホールで
やるっているので、こちらを聴きにいくことにいたしました。
日本でもおなじみですよね~
ブレハッチの前、ショパンコンクールで1位になった直後なんて、
日本でもかなり騒がれていましたっけ。
私は聴いたことがありませんが。。
2000席近いこの大ホールでコンサートをやるってこともすごいですが、
実際に中に入ってみたら、

ははあ、、なーるほど。 舞台側面と、背面は潰しているんですね。
それでも、その分を差し引いてもかなりの人数を集めないと、、、と不安になり
周りを見渡せば、半数以上が中国人。 ここライプツィヒに住む中国人だけじゃない、
きっとはるばる飛んできている人もいるはず!
場内全体は7割ぐらいの入りで、やっぱり外国人の演奏会だから、
本拠地の定期公演のようにはいかないもんだなー
そんなことを考えながら、同じアジア人の私は Rang Mitteの1列目に座りました。
こんな良い席でも30ユーロもしないのだから、驚き。
プログラムは、というと・・・
<前半>
ショパン ≪ノクターン第1番変ロ短調≫
ショパン ≪ノクターン第2番変ホ長調≫
ベートーヴェン ≪ピアノソナタ第23番「熱情」≫
<後半>
ベートーヴェン ≪ピアノソナタ第8番「悲愴」≫
ベートーヴェン ≪ピアノソナタ第14番「月光」≫
いや~、こんなベタなプログラムひさびさっ! ショパンはさらりと
弾きこなし、ベートーヴェンに重きを置いているのね~ という印象です。
ショパンで一世風靡をしただけあって、ショパンは安定かつ
甘味のある音色、王子様が演奏しているわっ ってキャーキャー
いっている女子たちが容易に想像できます(実際、会場内の女子率高い!)
・・・で、次のアッパショナータ、
あれ、あれあれあれ???
いまいち乗り切れずに、3楽章終わってしまった感じ?
一瞬でも、休憩待たずに帰ろうかしらと思ってしまったほど(ごめんなさい)
そこを思いとどまらせたのは、ありえない場内の雰囲気。
ユンディ・リが舞台に出て、挨拶をし弾こうとするそのときまで、
場内からフラッシュが。
いや、弾き始めてからも、フラッシュや、おそらく動画撮ってるんじゃ?
と思われる光がチラホラ。
マナーなんてレベルを超越、ああ、きっと彼らにとってはクラシック
だからとかという先入観は取っ払っちゃって、
ふつーにライブに聴きにいくかのような感覚なのかもしれない。
だって、ねえ、、、 本来なら入っちゃいけない両サイドのエリアに
休憩後に続々人が入り込んでいるんだもの。
「私の大好きなユンディ・リ様に少しでも近づきたい!!!」
そんな乙女たちにとって、フラッシュ撮影だろうが、動画撮影だろうが、
苦々しい顔でプログラムを売っているゲヴァントハウスホールのスタッフの
おばちゃま達の反応なんて、きっとどうってことないんです。
でも、演奏中はさすがに静かに聴いていてくれているだけで、
ああ、彼女たちなりの楽しみ方なんだなあ、と、まさかこのライプツィヒで
思い知ることになろうとは、これも不思議な縁ですね。
ところで、後半のベートーヴェンはなかなか良い演奏でした。
悲愴の第2楽章、月光の第1楽章は彼なりのロマン的な解釈が
とても良いふうに出ていたと思います。
そうそう、この2つのソナタには,
個人的にいろいろな想い出がありましてね・・・
悲愴ソナタは私の妹がいろいろあった多感な10代に発表会で弾いた曲。
月光ソナタは私の14歳の発表会で弾いた曲。第3楽章がとにかく手が
疲れて大変だった記憶しかありませんが。