出産当日 | こげの部屋

出産当日

出産日の続き


病院まで車で40分程。

朝の通勤ラッシュのせいか、1時間程かかった。

どうも気のせいか陣痛らしきものが5分間隔でくる。たいした痛みではない。

あせる旦那さん。車の運転が荒いよう。怖いよう。


病院の駐車場に到着。

「どちゃ」っと水のでる感覚。

ぎょぎょぎょ。やばい。大量に破水してる。ジーンズに水漏れしてないかしら。

見てもらうと「大丈夫」とのこと。あーお産パッド大きいのつけててよかったあ。

とすぐにまた「どちゃ」。ぎゃーす!!


血圧と体重をはかってから(体重は68キロ)荷物を持って陣痛室へ。

完全個室。

すぐに内診。いててててて。

ところで私、便秘と下痢が交互にやってくる体質。

昨日までここんとこ久しぶりに便秘だったんだよな。おならでそう・・・。

内診室の前で旦那さんと椅子に座ってまつ。

隣に今内診している人のお父様らしき人が座ってる。

私「なんかさー」

「便秘でおなかが張ってる」 と言おうとしたその時


「ぶっ」


おならが 

はっっっ

私というやつは!!!!!!

隣のお父様らしき人がびくっとしてこちらを見ている。

は、はずかしいっ。

無言の私と旦那さん。


内診台にあがる。

うー水が出そうでおっかなびっくり。

産褥ショーツを履いていた為、そのまま内診台へ。

看護師「おうちで破水されました?何色でした??」

私「家ではおしるしがありました。

 少し水が出たかんじがしましたが破水かどうか微妙な量でした。

 色は薄い赤色でした。」

看護師「今、パッド見ると緑なんですけど、家で見たのと違いますよね?」

見せてくれる。

ぎょぎょぎょ。

本当だ。緑色じゃん。

これって胎児が羊水だけ飲んでるときに排泄する便と違うのか??

娘ちゃんの便の量で腹の水が飽和状態に達して破水したんじゃ。

と考える素人妊婦。


陣痛室へ。

今3センチだから、残り7センチか。

一月前から子宮口開いてる私だから、まあ早く開くだろ。

破水している為点滴をうつ。抗生物質だっけな。

点滴の注射が思わぬ痛さ。やや凹む。

NSTを装着、少しずつ痛みを感じるなかで色々書類を渡される。

「助産婦見習いを2名付き添いにつかせていただいてもよろしいでしょうか~」

「臍帯血にご協力いただけますか~」

私「はあ・・」

何枚か署名する。もー何があったか覚えちゃいない。


夜短時間睡眠だった私はなんとか眠りたかった。

んが、学生助産婦見習いさんが結構頻繁に出入りしてくれる。

愛想の良い方でよく喋る。優しい。

あー私も仕事中ってただひたすら感じよくしてるけど、

こーゆー切羽つまった現場で「優しい」って意味あるよな。

私はただのOLだから意味ないんだけど。


旦那さんはPC持ち込んで仕事してる。かなり険しいオーラを発している。

こないだもめてた件だな。

あーおならがでる。

旦那さんの前でおならしたくねえー。


そうこうしているうちにお昼。

まだまだ余裕。

ほとんど食べてしまいそうだったけど少し残す。

旦那さんがお昼を食べに外へ出る。

うううううう。腹痛。いわゆる下痢の痛み。

きたー。

良かった、こんな詰まった状態で出産てどうなっちゃうんだと思ってたのよ。

とトイレへ。


ぎゃーなんか排泄がものっそい痛いっ。

胎児の頭とケンカしてんのか??

しばらく外に出られない。

NSTの数値を見に学生助産婦見習いさんがやってきていたらしい。

トイレの外で「大丈夫ですかーーー」。

うー恥ずかしい。

私「だ、大丈夫ですうー。」

その後も2度程こもった気がする。


うとうと仮眠をとって起きると16:00過ぎ。

その間もNST数値を見ていた旦那さんは「陣痛きてたよ」と。

眠れてよかった。

しかしこのあたりからだんだんと痛みが増してくる。確か。

離婚弁護士は陣痛きてもなんとか見てられたんだよな。

学生助産婦見習いさんから呼吸法を簡単に教えてもらっていたので、実践。

深呼吸するものだった。

おー確かに楽になる。

鼻から吸って口から出す だっけな。

もーここらへんからあんまり覚えてないのよね。


この後1度内診があり見てもらうとまだ5センチ程度とのこと。

げっ。

まだ???

医者「うまくいけば今日(11日)に出産できるかな~。まあ夜だね。」

ぎゃーーーーー。あと何時間あると思ってるのよ。

痛み増しまくり。まだいきみたい痛みではなかったけど。

ひーひー言ってると学生助産婦さんがはいってきて

「私達時間なので・・。赤ちゃん見れなくてとても残念ですうーーー。」

あーん、あなたに1度腰さすってもらったらとっても楽になったから、

これから本番て時に

いなくなっちゃうのとっても残念なんですけど!!!!

これが17:00位。

旦那さん「ようやく半分か~。」

言うな!!


で、私と旦那さんに地獄がはじまる。

NSTの陣痛数値は午前中よりも下がっている(午前はMAX99をたたきだしたときもあった)

のに、痛みは数倍。

腰をさすってもらう。

怖いときなど声の出ないタイプの私は痛みの際にも声が出ないらしい。

痛いときは手を挙げて旦那さんにお知らせ。

腰もさすってもらう。

しかし何の講習も受けていない私達、旦那さんもどこらへんをさすればいいのかわからず

私もどこをさすってもらえば楽になるのかわからず。

でもさすってもらわないと不安で痛くていらいらして・・・とにかくさすってもらう。

こりゃさする方も大変そうだ。


ベッドの上にいるんだけれど、楽な態勢ってのも自分でよーわからん。

ベッドの背をかなり起こして、足をまげて右側に投げた形で固定していた。

というか、体がかたくてその態勢しかできない。同じ形でいるのでそれもつらい。

正座などは陰部が気になり出来なかった。あー苦しい。


内診が陣痛室で行われる。

医者ではなく助産婦さん?看護師さん?の若い女性。

結構厳しい。

でも旦那さん相手だと甘えてしまうため、厳しい女性でよかったと思った。

いきみ逃しがうまくできない。

呼吸法でふーっと口ではくときに腹に少しでも力がはいるといきみにつながってしまう。

旦那さんがいきんでることに気づくと「ダメ!!呼吸して!!」と声を荒げる。

あーん無理なのよう。どうしようどうしようどうしよう。

若い女性を呼ぶ。

私「い、今から帝王切開か無痛って無理でしょうか。」と無理は承知で泣きを入れる。

女性「時間的に無痛は無理です。(無痛したければ朝9:00~18:00の間にといわれていた)

つらいから という理由での帝王切開は行いません。」

だよね!!!!


旦那さん「自然でいこう」

くそっ!!!!


なかなか子宮口10センチにたどりつかねえええええ。

7センチ以降は地獄も地獄。

我慢できずに何度もいきんでしもた。娘、ごめん!!!!

10センチ開いてから、ベッドの上でいきんでみろとのこと。

さんざん読んでいた出産エッセイ等の知識を活用し、

お腹のあたりをみて目を開けていきむ。

いきめるって苦しいのには変わりないけどしあわせやー。


23:30頃まだ頭が出てきかけで少し早いけれど、分娩台あがってしまおうとのこと。

おーありがとう。

歩いて分娩台へ。途中1度陣痛がきてスタンディングいきみ。

助産婦さん「旦那さんは立会いますか?」

旦那さん「はいっ」

ううう うん●が出そうだし断りたい・・・。

声がでねえ・・・。

というわけで結局立会い出産に。


分娩台の上でいきむ。

数人の看護師さんがいる。

「何時から規則的な陣痛がきましたか~?」

????私に聞いてんの???こんな切羽詰った私に????

てか覚えてない!!車の中で5分間隔だった気もするし、17:00くらいからだった気もするし。

旦那さんに「5!!」と手で言う。

旦那さん「朝5時からだそうですっ!!」

私「ち、違う・・」(心の声)


私旦那さんと結婚するにあたって、

「この人は他人の考えてることを読むのがイマイチできない人だなー。

きっと私が臨終の際に傍にいてくれても遺言正しく伝わらないだろうなー。

少し聞こえも悪いし、息も絶え絶え何か言っても聞こえないで死んじゃうだろうなー。」と

思っていた。それはこの人と結婚するからには仕方ないことなのだ と思っていた。

そんなんがここでもきたか!!まあいいや!!いきみたいんっ。


助産婦さんが厳しい若い女性から、中年のベテランぽい女性へ変わった。

深夜営業時間に突入なのかちら。とか考えていた私。

ベテランはいきみを導くのがとても上手だった。

陣痛の時間が通常40秒程度のところ、私は20秒ほどしかないらしく、

うーんと1度いきむと陣痛がなくなってしまう。

連続で2度3度はいきんでほしいらしい。

1度のいきみ時間を短めにし、短い時間のなかで連続でいきませるベテラン。

陰部のひだ?をぐいぐいひっぱられてたのかしら、とても指で触られてる付近が痛い。

でも上手いなと思った。

ベテラン「お尻を椅子の前のほうに突き出して~もっと~ はい上手い上手い」

ほめる のは流行っぽな。


自分的には全力でいきんでいるつもりだけれど、足りないらしい。

全力中に

ベテラン「もっと!!」といわれる。

脳裏にドラゴンボールの界王拳がよぎる。(漢字これでいんだっけかな)

「あーゴクウの力では2倍が限界といわれていたけど、それじゃあ全然かなわなかったんだよな。

 4倍だか8倍だかまで高めたんだよな。あたしもまさにその状態だわ。

 4倍だか8倍の力を要求されてるわ。」と心で思う。

そんなかんじで2倍→4倍→8倍と短い陣痛時間で力を上げまくる。


ベテラン「いいよー。頭出てきたよー。髪の毛の長い子だね。髪の毛だけ出てるよー。」

私「ほんとう!?」

後ほど元会社のねえさんに言ったところその図を想像され驚いていた。

そういや異様な図だよな。陰部から髪の毛だけわさーっと出てるって。


いーとこまできてるらしく別室の医者を電話で呼び出すベテラン。

つながらない。

別の看護師「外来らしいです。」

わーい。はやくしてっ!!

その間も陣痛の波は何度もやってくる為いきむいきむ。

でも医者来てないんですけど・・。

なんどか頭が少し出た感じがしたがベテランの手によって押し戻されていたような。

陰部の伸びをよくするためか??

医者がこないから??

ベテランの指が陰部のひだのあたりをうりうりしてそりゃあ痛いのですが!!


そうこうしてると医者がやってきた。

会陰切開の準備をしている。やっぱやるんですね!!

麻酔している。よかったー。麻酔なしはいやだったんだ。こわくて聞けなかったの。

旦那さん「よし、次で出そう!」

旦那さん手を握るでもなく「頑張れ」というでもなくたたずんでいた。うん??

うにゃーっとあと2回位いきむとようやく「はっはっはっで逃して」だかなんだか言われる。

待ってました!!頭が出たってことよね!!!!終わりだ!!!!

私「はっはっはっ」

としているとでっかい塊がどろっと出ていく感覚。


23:45。

やったーーーーーー!!

産まれた!!!

私「いらっしゃい!!!!」

場内失笑。

娘左の足元にあるベッドで吸引だの色々されている。

あーんよく見えない!!見せて!!私のべびちゃん!!

ためしにおっぱいあげてみる。カンガルーケアとかいうんだっけ。

看護師にしぼられるとちろっと乳がでる。

看護師「あら、もう出るのね!」

娘を上にのせて吸わせる。ちゃんと吸う。

看護師「あらーこの子もちゃんと吸うのねー。(母子ともに)大丈夫だ。」

生き物ってすごい!


興奮してなんだかべらべら喋る私。

「娘ー(予定していた名前)。娘ー。」

「終わったー!!」とかいったのかな。

旦那さん「後産があるから。」知ってるわい!!

(確かこのあたりで娘も旦那も別々の場所につれていかれた)

後産はうわさどおり簡単にでた。

生理2日目の塊が出る感覚。痛くもかゆくもない。

私「胎盤みたいみたいっ。」

遠めに見せてもらう。へーレバっぽいんだ、本当だ。赤いな。


医者「収縮が上手くいってないな・・。」

腹の上から子宮のあたりをゆすっているらしい。激痛!!!!

と共にじゃーじゃー血が流れ出る感覚。

医者「子宮から通常の3倍の量の出血があるから、このままここで収縮剤いれて様子みます。」

ぎょ 怖い。


娘、3790グラムとのこと。うへーでかい!!産む前に聞かなくてよかったーーーー!

医者「赤ちゃんが大きかったから子宮が疲れてしまったかんじだね。」

旦那さんと娘がそれぞれ帰ってくる。

娘ちゃん、ぷらっちっくのベッドみたいのにいれられてよく顔が見えないよう。

ぷらっちっくのいがみで鼻の穴が3つに見えて内心かなりあせった。

正直最後のあたりの3Dの顔がかなりぶちゃいくだったので、あのままの顔だったら

ちゃんと愛せるかしら・・と不安だった私。顔、見たいな・・。

旦那さんが娘の手を触っている。娘が握り返したらしい。えーんうらやましい。

娘ちゃんの顔を見せてもらう。

旦那さん似かな・・??

えーうらやましい。私にも似てほしい。


2時間そのまま休息をとりつつ収縮剤をいれられる私。

なんどか収縮具合を見るために腹をゆすられる。ほんっと痛い!!!!

お産の後にまだこんな痛みを味あわなきゃなんて!!!!

なんとか完了、普通部屋ではなく安静室という部屋にはいる私。

旦那さんは夜中なのではいれないそう。せっかく待っててくれたのにー。

夜中3:00過ぎ。

本当だったら即母子同室だったはずなのよね。娘ちゃんとは離れ離れ。

ぐすん。

しかし動くと子宮から血がだらだらでて怖い。

その夜は興奮してほとんど寝付けなかった。

もー2度と子供は産まない!!と心にかたく誓った。