降誕祭の夜 星の導き⭐️ ←コチラから。
石造りの白い壁の教会。
人々がひとりまたひとり、家族とあるいは近所の人と共に集う。
「こんばんは」
「こんばんは」
「クリスマス おめでとうございます」
「クリスマス おめでとうございます」
祝福の言葉を交わす。
祈りの声が聞こえてくる。
白い紙に囲われたロウソクをシスターから受け取り、
ベールを被り聖水で十字を切り重い木の扉を開ける。
聖堂の中に入ると左手にはてっぺんに星のついた大きなクリスマスツリーが飾られ、
カラフルな電飾がピカピカ点滅し子ども心が浮き立つ。
中ほどにストーブが焚かれている。
大勢の人が参列し座る席はなさそうだったが、
「ほら、あそこの席が空いとるよ」と顔見知りのおばあさんが
前の方に押し出してくれた。
あとから着物を着た母と父が入ってきた。
ミサが始まる。
『神の御子は今宵しも』♫
司祭の祈りの言葉。人々の祈りの言葉。共に祈る。
オルガンが鳴り、聖歌隊とシスターの清らかな声が響く。
人々は声を合わせ歌う。
『しずけき』♫
『もろびと こぞりて』♫
静かなる祈りは続く。
みなのロウソクに火が灯され、聖堂の電灯が消される。
『あめのみつかいの』♫
世界で一番美しい歌声と音楽だと思った。
聖体拝領を終え、祭壇の横に飾られた降誕の場面を再現した馬小屋の模型、
プレゼピオを今年も見ることができたと、満たされた気持ちで席に戻る。
外に出ると、
「よいクリスマスを」
「よいクリスマスを」
と人々は口々に言いながら、それぞれの家路に着いた。
サンタさんの中はプレゼピオ。
どうぞよいクリスマスを。🎄
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クリスマスソングと言えば何?