寒いからこそ身動き一つせず熟睡出来た十文字町の夜。
ところが朝になると一転、
ピーカンのお天気で車の中はなまら暑い。
暑くて暑くて、さっさとダウンジャケットを脱ぎ捨ててしまう。
何なんだ、このエジプトのような寒暖差は…。
がしかし、夜にあれだけ冷え込むなら、桜の開花予想はやはり例年通りという気がしてくる。
ここの道の駅の素晴らしい点は、近隣の農家や奥様達が手作りした色々な品を持ち込んでいることにある。
野菜?
そりゃ当然。
秋田は漬物処であり、
寒天文化の深い土地。
勿論、ワタクシもそれを見逃す筈はなく、ここに泊まったら必ず買って帰るのである。
寒天の種類だけでもこんなに↓
まだ朝の9時過ぎなので、これから持ち込む人も多いのだそう。
漬物もカラフル♪
いぶりがっこばかりが独り歩きしているが、そればかりじゃ浅過ぎるのよ。
とはいえ、いぶりがっこだけでもこんなに有る。
スーパーの品揃えなんて屁でもないのよ。
ワタクシはうちの奥さんに食べさせてみたかったのはコレ↓
秋田の漬物文化は深く、そして多岐に亘る。
これはナス漬けだけれども、餅米も入ったもの。
日本人文化ではなかろうモノもあるけれど↓、ニラのキムチはきっと美味しい筈。
買いたかったけれど1人での車中泊旅では冷蔵庫が無い為、アメらかすな…と判断(←東北の言葉で腐らせるの意味)。
いや、キムチは白菜よりもニラやアイヌネギのほうが合う!!とワタクシは強く思う。
(買わなかったことを未だに後悔…)
さて、
道の駅十文字から車で約10分。
お隣は増田町の「まんが美術館」。
ここを生まれ故郷とする矢口高雄先生が発起人となって始まった、全国的にも意義の高いハコモノ。
素晴らしいステンドグラス。
丸ごと秋田の風景だ。
館内は、常設展示が無料閲覧可能で、特別展示が有料となる。
今期間中は「村上もとか展」を開催中の為、そちらを見たい方は有料となる。
ワタクシは釣りキチ三平の最終巻65巻が読みたくて着席。
うむぅ~、
一平じっちゃんが亡くなって、そこから何故釣り人300万人で国会議事堂へ大行進なのか…
その展開が無理繰り過ぎて不完全燃焼。
それに比べると、やはり矢口高雄作品は
「おらが村」
「釣りバカたち」
といった読み切り短編に作者のパワーが集約されているような気がする。
田舎から出たい葛藤と、
でも田舎が一番自分の身体に馴染んでいることのギャップ感。
こればっかりは田舎生まれの人間にしか分からないと思うが、ワタクシも学生時代はサッサと秋田から出たくて、「花の東京」に憧れたもの。
でも35で帰ってきた時、凍っていた心がジワジワと溶け出してきていたのを感じたのは紛れもない事実だった。
人を温かく迎い入れてくれるのは故郷なんだよ…と。
赤の他人は何もしてくれなくて当然。
だから自分の背中を押してくれるのは、他ならぬ自分である…とワタクシは思う。
その為にも、故郷の温かい記憶は幼少期から大事だと思うな、つくづく。
ワタクシか好きな漫画家は何故か秋田県出身。
「おせん」のきくち正太、
「編集王」の土田世紀、
その他、「銀牙」の高橋よしひろや「味いちもんめ」の倉田よしみなど、錚々たるメンバーが輩出されている。
なお館内には矢口高雄作品も全て有る。
この全て…とは詭弁ではなく、ワタクシが未だに入手困難としている作品も数点。
(チライアッポや朱鷺など)
それが手にできて読めるのだから、これほど有り難い事はない。