第110回

大阪市立大学では、古文と漢文だけの授業しかありませんでした。

 

当時の大学の教授から、行けと言われて、某私立高校に行ったのが、

いわゆる就職面接でした。そして、そのまま、その私立の高校教諭となりました。

ところが、漢文を教えるのかと思っていましたが、現代国語の授業ばかりが与えられて、

相当に、困惑しました。新入社員でしたので、何も言わずに、現代国語の授業をしましたが、いわゆる授業のノウハウが全く無いのです。

 

たまたま、国語科の準備室に、400冊位の現代国語の参考書がありましたので、

むさぼるように、夏休みの終わりまでに、全て読み終えました。

 

最初は、「指導書という、教科書の教え方が書いてある本の通りに、教えていましたが、

どうも違和感がありました。そこで、現代国語の参考書から学んだことを、順次取り入れて,クラス毎に、同じ作品を、違った読み方で、授業しました。

 

同時に、高校3年生には、関関同立の入試問題の授業をするようにと言われて、始めて、

関関同立の入試前問題を見たのですが、30年分の赤本を読み込んで、やさしそうな

問題から始めて、プリントを作り、徐々に、難しい問題をやりました。

まさかと思ったのですが、この年は、私の関関同立の現代国語の授業を受けた生徒達の

90パーセントが、現役で、関関同立に合格したと,当時の校長に言われて、とても驚き

ました。

 

来年も,関関同立の入試の現代国語の授業をやれと言われて、次の年もやりました。

これが,後に、大いに塾で,役に立ったのです。