おはようございます。岡田弘志です。私も、前に言った方と大体重複する部分が多いかと思いますけど、非常に大切な部分ですので、ちょっと我慢して聞いていただきたいと思います。
私も住民投票条例制定を求める請求署名の代表者の1人です。新庁舎建設問題について、経費面で、現行案と見直し案の比較をしてみたいと思います。庁舎と福祉会館の建設を考える会の作った徹底比較というものがもしおありでしたら、この現行案に対する意見書、資料3に色刷りで載っています。これを見ながら説明させていただきたいと思います。8点ほどあります。
まず、現行案は、庁舎福祉会館をなるべく南側に寄せて造ろうとしています。これに対して見直し案は、中央に庁舎と福祉会館が一体となった建物を造ろうとしています。新庁舎を造るという段階になったとき、現行案は、北側にある清掃関連施設を残し、福祉会館を先に建てるという前提で設計しました。しかし、令和7年3月には、清掃関連施設は撤去されます。だから、わざわざ南に寄せて庁舎と福祉会館を別々に造るという必要はなくなります。なぜ前提条件がなくなったのに、前提条件のある案に固執するのでしょうか。本当にこれは不思議だと思います。
2点目、なぜ現行案はお金がかかるのか。まず第1に考えたいのは、駐車場を地下につくるということです。見直し案は、地下につくるのではなく、地上に十分なスペースがあります。見直し案の方が駐車台数も多いです。わざわざ地下につくる必要はなくなります。これで随分経費が違うのではないかなと思います。
3点目、次に、現行案は、庁舎と福祉会館を別々に建てて、庁舎が免震構造、福祉会館が耐震構造という非常に複雑な構造になっています。このような複雑な構造では、お金が更にかかります。庁舎と福祉会館を一体的に造って、全て免震構造にすれば、それで問題はなくなるのではないでしょうか。現行案の福祉会館が耐震でいいはずはありません。耐震構造では激しく揺れて、中にいる人は非常に危険です。庁舎にいる人だけ免震で助かればよいのでしょうか。市民案では、真ん中に庁舎、福祉会館を造って、北側に駐車場、南側に3,000平米の広場ができます。
4点目、次に、70年間使い続けたライフサイクルコストについて述べたいと思います。現行案は575億円、見直し案は435億円、70年間で140億円も違います。これは多分、地下駐車場の維持費とかが必要なくなり、庁舎の構造も簡単になるため、安くなるのだなと思います。これらの比較は、架空の話ではありません。現役の1級建築士がいろいろ設計とか構造とかを考えてつくった、非常に現実的な案です。
5点目、そしてさらに小金井市の全体的な予算についても考えたいと思います。市長は反対意見の中で、事業を実施しても市財政の見通しは十分に成立するとの判断に至り、実施計画を再開したと述べています。本当に財政は十分成立したと言えるのでしょうか。議会の議論で、その見解は、昨年示された中長期財政計画の範囲内でのことだとされています。この間、集会施設のエアコンが次々に壊れる、学童保育所のガラスが壊れていてもすぐに対応できないなどの事態が明らかになっています。今でも市民の要求にはお金がないと、不十分な対応です。学校給食費無償化は、小金井市を取り巻く自治体の全てが実施することになり、多摩26市でも過半数を超える状況です。小金井市は何ゆえ実施できないのでしょうか。財政の課題があることは明らかです。そして、武蔵小金井駅北口再開発事業が始まり、市も数十億円の補助金を出すことになると聞いています。さらに、市民要望が強い図書館の建て替え計画はなく、大規模化する学童保育所の抜本策もないと聞いています。3市共同のごみ処理施設建設の問題、東小金井駅北口への市民施設建設など、課題が山積しています。物価高騰などで大変となる市民生活支援など、今後、多額の財源が必要となることは明らかです。財政の見通しは、十分成立すると全く言えない状況ではないでしょうか。見直し案では、約28億円のコストダウンを見込んでいます。見直しを行うと、これまでに支出した4億円と同額程度の支出が必要と述べていますが、こうした金額も十分に賄った上で財源を生み出すことができます。庁舎建設の思い切ったコストダウンを行い、将来の市民生活の財源をつくることが必要です。
6点目、基本構造から考えたら、一体いつになったらできるか分からないというはことに反論したいと思います。現行は、その完成までの差は1年8か月ぐらい。前の人も言いましたけど、これぐらいの差は、7年も8年もかかるという話ではありません。これらの差は、かかる経費の差を考えれば、十分に納得されるのではないでしょうか。
7点目、庁舎と福祉会館の建設を考える会は、見直し案を市民に押しつけるわけではありません。現行案と見直し案のどちらがいいかというのを市民一人ひとりに決めてもらおうという条例です。そして、現行案が多数となれば、それでやればいいと思います。見直し案が多数になったら、それをやらなければならないと思います。
最後に、直接請求署名の収集のときに、市民から寄せられた疑問の声を上げたいと思います。この徹底比較の次のページに載っています。ちょっと読み上げてみたいと思います。
耐震構造に関する意見。庁舎と福祉会館を同時着工、同時完成するとのことだが、別々の建物にする意味が分からない。ましてや、片方だけに免震構造を採用するのは理不尽だ。
2、私は建設設計の仕事をしているが、あえて複雑な構造にする必要性が全く感じられない。このような設計で進めることには絶対反対である。
3、シンプルな構造にした方がよい。
4、こんな実験的な設計にして、一体誰に利益があるのか。私はかつて大手ゼネコンに勤務していたが、首をかしげている。
5、家族に障がい者がいるが、福祉会館が激しく揺れる構造だと聞いて驚いている。なぜ庁舎と同等の免震で建てないのか理解に苦しむ。
6、建物が人を選んでいる。差別しているようだ。あなたはこちら、私はあちら、行く先によって地震のときに揺れが違うのはおかしい。どちらも一つの小金井市の建物よね。どなたがそれで良いと決めたの。私たち高齢者は差別されているよう。そういう考えをする市だとは知らなかった。暗く重い気持ちになった。この市に住むのが嫌になりました。心が晴れない。
次に、地上広場に関する意見。蛇の目ミシン工場跡地のそばに住んでいるが、公園がない地区なので、庁舎建設と公園の整備は両立させてほしい。
2、清掃用の施設が残っているから、建物を南に寄せたと聞いたことがある。先ほどの話では、清掃用の施設が着工までに撤去されるということになったとのことだが、それなら南側にきちんとした広場を整備できるのではないか。面倒くさがらずにきちんと対応してほしい。
3、いつも保育園の子どもたちがたくさん遊んでいるのを見かけている。子どもの成長のためにもなるべく大きい公園を一緒につくるべきでは。
4、今の広場と同じくらいの面積の広場をつくろうとしたら、土地代が幾らかかるのか。庁舎と一緒につくってしまった方が財政的にも効果的なのでは。
次に、敷地の浸水に関する意見です。うっかり浸水対策を忘れていたとのことだが、専門家は市役所にはいなかったのか。年々想定される最大雨量が引き上げられるので、ぎりぎりのラインでも不安が残る。ましてや浸水することが前提の設計というのはどういう了見なのか。チラシを拝見してとても驚いている。
駐車場に関する意見です。地下駐車場をつくらず、地上駐車場だけにするのが見直し案だが、駐車場の台数は見直し案の方が多い。その上で、広場の面積も、見直し案の方が圧倒的に広い。市長や市議会が市民の利便性を重視しているなら、見直し案で建設しない理由が見当たらない。
建設コストに関する意見。特にお金の件について、市からちゃんとした説明があったことが一度もなかったと記憶している。
5、中身が分からなかったので、漫然と現行案でいいのかなと思っていた。借りている庁舎の賃料も無駄だと思うが、現行案だと、それと同じくらい無駄遣いが70年も続くと聞いて、考えが変わった。署名を集めますよ。
その他の意見。どう見ても見直し案の方が良いと考えるが、なぜ市長や市議会は現行案にこだわるのか。内容以外の理由があるのか教えてほしい。
最後です。住民投票条例なら、見直し案賛成の議員も現行案賛成の議員も賛成できるのではないか。自分が推している案に自信がないなら別だが、多くの市民に支持されている案で進める方が説得力があると思う。
これらの意見は圧倒的に見直し案を支持していると思います。非常に合理的に考えても、見直し案の方が安くて、安全で、かつ広いです。ぜひ見直し案の検討をお願いしたいと思います。
