平林二号墳石室
 平林二号墳は、六世紀後半(千四百年余り前)に、この地域の豪族の墓として造られたものです。
 古墳は、西関東連絡道路の予定地内にあったことから、平成十年に発掘調査され、直径約十五メートルの円墳で、南東方向を入り口とした立派な横穴式石室を有することが明らかになりました。
 石室は、全長8.6m、幅約2m、高さ2.15mの規模で、周辺の山の石を用いて造られていました。
 石室の中からは、金で装飾された馬具(轡・辻金具等)、鉄製の武器(直刃・鉄鏃)、耳飾り・首飾りなどの装身具(金環・勾玉・ガラス玉等)や青銅鏡などの副葬品が出土しています。また、石室入口部付近には、葬送の儀式に使った土師器・須恵器なども発見されました。
 道路用地になった古墳の石室は、この地域の古代の歴史を学ぶ上で大変貴重な資料であることから、春日居町の文化財(平成15年3月指定、考古資料)として指定され、元の場所から30mほど北側の現在地に移築することになりました。
 この石室が、復元されたことにより、いっそう豊かな地域の歴史や文化を物語るものとなり、貴重な歴史遺産として、末永く親しまれ活用されることを期待します。
 平成16年3月 山梨県
(現地、説明板より)

平林2号墳について
 平林2号墳は、甲府盆地北側の笛吹市春日居町吾妻山にあります。古墳の周辺には40基ほどの円墳や積石塚古墳があり、これらを総称して春日居古墳群と呼ばれています。(第1図)。古墳群の年代はおおよそ6世紀~7世紀(今から1500~1400年前)です。
 古墳は、1998年に発掘調査が行われ、2000年に調査の成果をまとめた報告書が刊行されています(山梨県埋蔵文化財センター報告書第175集『平林2号墳-西関東連絡道建設に伴う発掘調査―』)。
 平林2号墳は横穴式石室をもつ円墳でした。その石室の中から、2面の青銅鏡や金銅張が施された馬具、勾玉、ガラス玉、などの豪華な副葬品が発見されています。また、石室の外側からは6世紀後半から8世紀前半の須恵器が発見されています。これらの出土品は、一括して山梨県の指定文化財になっていて、一部は考古博物館に展示されています!
 また、現在この古墳は、もともとあったところから移築して、復元されています。
(山梨県ホームページより)

 住所:山梨県笛吹市春日居町鎮目2327
 特徴:
 撮影:2024年6月29日