富士見塚1号墳
 全長80.2mの前方後円墳です。かすみがうら市内では最も大きな古墳で、対岸からも雄大な姿を見ることができます。
 発掘調査により、後円部に木棺(木をくりぬいた棺)、前方部に石棺(石で組み立てた棺)が発見されました。盗掘にあっていたため、埋葬施設周辺が荒らされていましたが、後円部からは直刀(刀身がまっすぐな刀)、鉄鏃(鉄製のやじり)、馬具(馬につける装具)の破片、管玉(つないで首飾りにする石製の筒状のもの)、ガラス玉が、墳丘の周溝(古墳の外側をめぐる堀のようなもの)からは、円筒形、朝顔系、家系、人物、動物などの埴輪が出土しました。
 人物埴輪の盾持ち人、横髷女性や、動物埴輪の鹿、犬、猿などは葬られた権力者の身近に存在したものを表現したと考えられます。
 富士見塚1号墳がつくられた時期は、墳丘形態や埋葬施設、出土遺物などから5世紀末から6世紀初頭と思われます。
 かすみがうら市教育委員会
(現地、説明板より)

富士見塚2号墳
 直径約25mの円墳です。埋葬施設は、墳丘部には設けられず、周溝から発見された土坑が埋葬施設と考えられます。土坑の周辺からは、破砕された状態で須恵器の甕が出土しています。
 墳丘の覆土からは、金銅製の鉸具[かこ](帯を締めるための金具)が出土しています。
 出土遺物から、古墳が築造された年代は、5世紀末から6世紀初頭と考えられます。
 かすみがうら市教育委員会
(現地、説明板より)

富士見塚3号墳
 直径約18mの円墳です。発掘調査では、頂上の中心部より内部が赤彩されている箱式石棺(石で組み立てた棺)が出土し、その中から、女性と思われる人骨一体分の遺体と副葬品として長短二本の刀子(小型の刀)や数多くのガラス製小玉(首飾り・腕飾りなどに用いた小さな丸い玉)が発見されました。
 小さな古墳にもかかわらず頂上周辺からは、多くの埴輪(円筒、人物、動物などの形をした素焼きの焼き物)が出土しました。富士見塚3号墳のつくられた時期は、富士見塚1号墳よりほぼ百年くらい後の6世紀末と思われます。
 かすみがうら市教育委員会
(現地、説明板より)


 住所:茨城県かすみがうら市柏崎1553-3
 特徴:富士見塚古墳公園
 撮影:2024年5月3日
    2021年9月11日訪問