国指定史跡 柏谷横穴群
全体で300基以上が東西600m、南北250mにわたって造られたと考えられている静岡県内で最大規模の横穴墓群です。
横穴墓は、6世紀末頃から8世紀末頃までの200年間にわたって、お墓として利用されました。後半期には新たな横穴墓は造られず、今まであった横穴墓に追葬が行われ、最後の頃には火葬骨を納めた例も見られます。
横穴墓が造られる地質は、箱根火山の噴火のときに流れ出た「箱根火山新期軽石流」と呼ばれる軽石を主体としたもので、加工がしやすい半面こわれやすいという特徴があります。
昭和51年2月20日に国の史跡に指定され、その後、発見された北伊豆で一番古い横穴墓が、平成10年7月31日に追加指定されました。
文化庁 静岡県 函南町教育委員会
(現地、説明板より)
史跡(国指定柏谷横穴群)
丘陵の斜面を横に掘って墓室とした古墳時代後期のお墓(横穴墓)で、古くから「(柏谷の)百穴」と呼ばれています。
東西600メートル、南北250メートルの範囲に総数300基はくだらないと推定される県内最大規模の横穴墓で、北伊豆では最古の六世紀終わり頃に形成されはじめ、最終段階(八世紀末頃)には火葬骨を納めた例も認められています。
史跡に指定された範囲は全体のうち保全状態が比較的良好な一部で、現在柏谷公園の最も奥(北)側に位置しています。
横穴墓は、遺骸を納める玄室とその前面に慰霊祭を行った墓前域、両者をつなぐ通路である羨道に分かれています。当時、人が死後に行くと考えられていた黄泉の国を現し玄室内には、生活に困らないよう食器(土器)、身を飾る装飾品、身を護る武具や旅の道具(馬具)などの副葬品が一緒に埋納されました。黄泉の国の入り口は閉塞石と呼ばれる河原石を積み上げてふさぎました。
(函南町ホームページより)
住所:静岡県田方郡函南町柏谷676-1
特徴:柏谷公園内の複数個所に所在
公園内に無料駐車場有
撮影:2023年5月21日