蓑輪坂ノ前古墳群
 場所 浅川町大字蓑輪字坂ノ前地内
 古墳時代の遺跡は、古墳群・横穴墓も含め、町内で数多く発見されているが、この古墳は昭和63年(1988)に国道118号改良工事中に発見された。前方後円墳1基と円墳10基が確認され、このうち工事により支障となる円墳5基の発掘が実施された。
 構築された年代は6世紀半ばから後半と推定され、墳丘下には箱式石棺や周溝底面に木棺を置く直葬の存在が確認された。
 埋葬の中で、周溝底面に木棺を直葬するものは福島県内では類例が少なく、千葉県北部から茨城県南部との関連が考えられる。
 遺物は副葬品を含めて、約20個体の土師器・鉄製品(鉄刀・刀子・鉄斧・鋤先・矢じり)・管玉・人骨が出土している。出土した一部は県立博物館に保存されている。
 浅川町史より
 平成24年3月 浅川町教育委員会
(現地、説明板より)

蓑輪坂ノ前古墳群
 蓑輪坂ノ前古墳群は、国道118号線浅川バイパス工事中に昭和63年5月31日発見されたものであります。
 古墳群はおよそ12基の円墳からなっており、今回バイパス工事に係わる部分にある円墳6基について同年8月発掘調査を実施したものである。
 出土された土師器等から本遺跡は5世紀後半から6世紀前半のものと考えられる。円墳の規模は、直径10m~13m、周溝幅2m前後の大きさである。古墳時代この地域を支配していた豪族のお墓であろうと推測されております。
 発掘調査の結果、1号、2号、6号墳は自然石を利用した箱式石棺、3号墳は割竹形木棺、4号、5号は木棺であることが確認されました。
 ここに2号と6号墳の石棺を移転復元したものである。
 出土した主な副葬品等(福島県立博物館へ保管)
 1号墳・・・鉄斧、刀子、鉄鏃、管玉、土師器
 2号墳・・・人骨、管玉、刀子、土師器
 3号墳・・・鉄刀(105.8cm)、鉄斧、鋤先、刀子、鉄鏃
 4号墳・・・鉄刀(113.6cm)、切子玉、土師器
 5号墳・・・土師器
 6号墳・・・幼児の小型箱式石棺のみ。
 福島県石川郡浅川町教育委員会
(現地、説明板より)

 住所:福島県石川郡浅川町簑輪坂前35
 特徴:
 撮影:2023年1月15日