城山と呼ばれるこの一帯は、古くから景勝地として知られ、今は桜とつつじの公園として親しまれている。
この台地上は、県下を代表する後期古墳である城山一号墳を主盟とする城山古墳群(総数14基以上)でもある。
城山一号墳は昭和38年の高校建設に際して発掘調査されたもので、全長68mの前方後円墳で、後円部に左片袖の横穴式石室(この石室は現在、城山公園の入口に復元されている)が構築されていた。
中から三画縁三神五獣鏡をはじめ、多くの副葬品(武器・武具・馬具・装飾品等)が検出されている。
また、多くの埴輪も墳丘にめぐっていた。
周辺には町指定の四号墳や八号墳などがある。
(おみがわふるさと小径設置事業)
城山一号墳は小見川町城山に所在した全長68mの前方後円墳である。
県立小見川高等学校が現在地に移転するのに伴い、昭和38年(1963)に発掘調査された。
その結果、墳丘の頂部と中段テラス部分には円筒埴輪や人物等の形象埴輪が巡らされていた。
また、埋葬施設は横穴式石室で、この石室内から多くの副葬品が発見されている。
副葬品の中で最も注目されるのは、古墳時代の初めに中国大陸で製作された三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)である。
この鏡は、古墳時代のはじめに国内の広い範囲に広まったと考えられる銅製の鏡で、主に前期の古墳に副葬されている。
城山一号墳は後期古墳であり、この時代の古墳から出土するのは全国的にみてもきわめてめずらしいことである。
この他に、おもな副葬品としては柄頭(つかがしら)の中に鳳凰(ほうおう)をかたどった金銅装環頭大刀、側縁部に銀の象嵌がある鐔(つば)、金銅製の馬具、飾金具、耳環(じかん)、鈴等が検出されている。
墳丘に巡らされていた埴輪は主に下総型埴輪と呼ばれる型式のもので、6世紀後半に印旛沼・手賀沼の周辺を中心に分布したものである。
下総型の人物埴輪は、顔面に板状の粘土を貼り付けた平板な作りを特徴としている。
しかし、城山一号墳出土の埴輪には、下総型とは異なる頬のふっくらした人物埴輪も含まれており、埴輪の供給源が複数であったことが明らかになった。
このように豊富な副葬品を出土した城山一号墳は、下海上国造(しもつうなかみのくにのみやつこ)が支配した地域の、主要な古墳であると考えられる。
(千葉県ホームページより)
場所:千葉県香取市小見川4854-20
特徴:小見川城山公園
撮影:2020年4月25日