この古墳は、若小玉古墳群の一つで、墳頂に地蔵堂が安置されていることから、地蔵塚古墳と呼ばれています。
墳形は、方墳と思われ、築造時期は、七世紀中葉頃と考えられています。
規模は、一辺約28m、高さ約4.5m、周堀幅約1m、深さ40~50㎝です。石室の形態は胴張りで、奥壁と天井石は緑泥片岩、他は安山岩の切石を用いています。奥壁及び側壁下には、根石が置かれていました。遺物としては、石室内から、鉄鏃(矢じり)片や須恵器片が少量出土しています。
この古墳の最大の特徴は、左壁・右壁及び奥壁に線刻画が描かれていることです。鳥帽子を被った人物、弓を引いている人物、馬、水鳥、家かと思われるものが描かれています。北武蔵唯一の線刻画として大変貴重なものと言えます。
(埼玉県教育委員会、行田市教育委員会)

 場所:埼玉県行田市藤原町2-28-1
 特徴:
 撮影:2020年1月19日