福崎町高岡 応聖寺様でいけばな光風流をお稽古している生徒です。
8日の昨日は雨上がりの日で畑で動くのは秋の日の暑くもなく丁度の気候でした。畑ではキューリやトウガラシが実ってました。畑に行く道で播但線の踏切待ちをしました。赤い電車の播但線待ちしました。
お家元のブログです。
内藤正風のブログ
2024年10月8日 / 最終更新日時 : 2024年10月8日 内藤 正風いけばな作品
「見立て」は最大公約数でなければ、ただの独りよがりになってしまいます
目次
ごきげんよう、こんにちは、こんばんは、内藤正風です。
昨日は朝から夜まで光風流本部いけばな教室においてお稽古を行ないました。来週末には「光風流いけばな展」を控えているのでいけばな展に向けての作品作りが中心の教室になりました。
そんな中、お稽古に来られている方に、「見立てと独りよがり」という事についてお話をさせて頂いたので、今日はそんなことについて取り上げたいと思います。
見立てとは
「見立て」には様々な側面があります。まず「妻の見立てたシャツ」というように、見て選ぶことを「見立て」といいます。それから「お医者様の見立て」という風に、病気の診断することにも使います。あと「明日の株価は上昇すると専門家が見立てている」というように予測する場合にも用いられます。そして私たちいけばなに欠かせない、似た別のものに置き換えたりなぞらえたりする意味の「見立て」があります。
私たちはいけばなの作品作りにおいて必ず「見立て」を行なっています。まずその一つ目は、器を見立てたりお花や枝などを見立てたりしています。この場合の見立てとは「見て選ぶ」という意味においての見立てになります。
そしてお花で何かを連想させるように置き換えた表現をしたりなぞらえた表現をしたりもします。たとえばいけばな作品で月を連想させるようにしたり、富士山を連想させるようにしたり、海の海岸の景色を連想させるようにしたりという事です。
見立ては最大公約数でなければならない
そんな見立てですが、一つ気を付けなければならないことがあります。それは「独りよがりになってはいけない」という事です。独りよがりとはつまり、自分だけで良いと思ってしまい他の人の意見を顧みないという事です。
一つ実例を挙げてみたいと思います。例えば「家」を連想させたいときにどんな絵を描かれますか。
例えばこんな絵を描かれているのを見て「家」だと思うでしょうか。
多分思わないですよね。
高層マンションを連想することもないと思います。ませいぜい短冊?タオル?定規?(笑)
ちなみにこの絵でも、下の絵のように窓でも書かれていたら、マンションとかを連想する可能性も少しはあるでしょう。
ではこんな絵はどうでしょう。
確かに「家」といわれる方もあるでしょうが、この図形だけを見せられたら「矢印」と答えられる方もあるでしょう。
がしかし、この図形も四角を書き加えると、家に見えるようになってきます。
この様にして考えると、家を認識する外せない要素って、もしかしたら外形ではなく窓にあるのかもしれません。
つまり何かを表現し、自分のイメージをほかの人に伝えようとするときに大切なのは、自分がどう思うかや、どうしたいのかよりも、他の人の目にどう映るのか、見た人がどう連想するかの方が、はるかに重要であるという事なのです。
言い方を変えれば、見手である多くの方の存在「最大公約数」に目を向けなければ、単なる自己満足や独りよがりに陥ってしまう危険をはらんでいるという事なのです。
見立てと俯瞰する目は両輪です
いけばなの作品作りにおいて、自分の作り上げたいイメージを優先するのはとても大切な事です。がしかし、そのイメージが相手に正しく伝わらなければ作品として全く意味をなさなくなってしまいます。
見立てはいけばなの作品作りにおいて基本になります。が、それと同時に、独りよがりになってしまわない様に常に俯瞰するという客観的であり冷静な目も必要になると私は思うのです。
内藤正風PROFILE
- 内藤 正風
- 平成5年(1993年)、光風流二世家元を継承。
お花を生けるという事は、幸せを生み出すという事。あなたの生活に幸せな物語を生み出すお手伝いをする、これが「いけばな」です。
光風流の伝承を大切にしながら日々移り変わる環境や価値観に合わせ、生活の中のチョットした空間に手軽に飾る事が出来る「小品花」や、「いけばな」を誰でもが気軽に楽しむ事が出来る機会として、最近ではFacebookにおいて「トイレのお花仲間」というアルバムを立ち上げ、情報発信をしています。ここには未経験の皆さんを中心に多くの方が参加され、それぞれ思い思いに一輪一枝を挿し気軽にお花を楽しまれて大きな盛り上がりをみせており、多くの方から注目を浴びています。
いけばな指導や展覧会の開催だけにとどまらず、結婚式やパーティー会場のお花、コンサートなどの舞台装飾、他分野とのコラボレーション、外国の方へのいけばなの普及、講演など、多方面にわたり活動し多くの人に喜ばれています。