こんにちは。

「話す声」「聴く声」のトレーナー、むくもとゆうこです。

 

今日は鼻濁音についてお話しします。

 

ことばの最初(語頭)のガギグゲゴは、

濁音<G>のガギグゲゴで発音します。

「学校」「銀行」「愚痴」「原稿」「合同」

 

これに対して、助詞の「が」や、語中・語尾の「ガギグゲゴ」は、

息の半分程度を鼻に送る鼻濁音<ŋ>で発音します。

「入学」「山羊」「工具」「湯気」「都合」「輝く」

 

日本の仮名文字には、この鼻濁音を表す文字がないため、便宜上、

 

と表しています。

 

鼻濁音は伝統的な日本語の発音ですが、

九州・中国・中京・上越などではもともと鼻濁音を使っていませんし、

東京でも数十年前から鼻濁音がほとんど聞かれなくなってきていることも事実です。

 

ガ行の濁音Gの音はゴツゴツした感じなので、鼻濁音が入ると、

柔らかく優しい表現になります。

 

一般的には、助詞・接続助詞の「が」と、

語中・語尾の「ガ行」を心がけるだけで、

かなり柔らかな発音になります。

 

「マミムメモ」は唇を、「ナニヌネノ」は舌の前部を使って、

息を半分鼻腔に送る鼻音です。

 

※ ガ行濁音・鼻濁音の発音をしてみましょう。

録音して聞くと、よくわかりますよ。

(右肩に○が付く鼻濁音の表記ができませんので、

便宜上、鼻濁音になるところにアンダーラインを引いています)

 

① 私参ります

② 今は晴れている、間もなく雨降るだろう

③ 乳牛輸入業(ニュウュウユニュウョウ)

④ つに、右(ミ)の鍵(カ)を開けると、山羊(ヤ)と

   うさと葱(ネにでてきた。

⑤ 午後(ゴ)5時(ゴジ)55分(ゴジュウゴフン)

⑥ プログラム、カーディガン、アレグロ、ターゲット

 

★ ⑤の数字は、明瞭さが大切なので、

語中・語尾でも濁音になります。

ただし、「十五夜」「七五三」など名詞として使われているものは、

鼻濁音になります。

 

★ ⑥の外来語は原則として濁音です。

 

鼻濁音は意識しすぎてもおかしいのですが、

日本語の伝統的な発音でもありますし、

さりげなくできるようになるといいですね。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!

 

その他、鼻濁音について、さらに詳しいことが知りたい方は、こちらをどうぞダウン

https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/pdf/20170401_6.pdf