母音の発音で大事なことは、口の形です。
口の形があいまいだと、発音もあいまいに聞こえてしまいます。
「ア」は口を立てに開け、あごを大きく下げて発音します。
「イ」は口を両横に引くようにし、平らな形で発音します。
「ウ」は円形に唇をすぼめ、ローソクの火を消すような気持で発音します。
「エ」は「ア」よりもあごを少し上げ、口を横楕円形にします。
「オ」は唇を「ア」よりも小型の縦楕円形にして発音します。
舌の位置は、下の歯の裏に軽く付く感じで、
自然なポジションに置いてください。
たとえば、「ウ」の口の形で「ア」と発音するとどんな音になりますか?
「エ」の口の形で「「オ」と発音するとどうでしょう?
ちょっとあいまいな濁った音になりますよね。
「ア」をはっきり発音したければ「ア」の口の形を、
「ウ」をはっきり発音したければ「ウ」の口の形をしなければ
、ちゃんとした音にはなりません。
口の形はもともと横に長い形をしているので、
「イ」の口構えはしやすいのですが、
「ア」や「オ」の口は、意識して口を縦に開けなければ
正しい口構えにはなりません。
自分の話し声や読む声が、
「平坦だ」「棒読みのようだ」「暗い」「発音が聞き取れない」
などと人から言われたことのある人は、
“口が縦に開いていない”場合が多いです。
「ア」や「オ」の音は、縦に口を開けることを意識して声を出しましょう。
それだけでも、明るくはっきりと聞こえる声になりますよ。
「おあやや親におあやまり、おあやや八百屋におあやまりとおいい」
これは有名な早口言葉です。バリエーションはいろいろありますけどね。
これを、毎朝毎晩歯磨きをした後に、
鏡を見ながら大きく口を動かして5回ずつ言ってみてください。
2週間で聞き取りにくかった発音が、聞き取りやすくなります。
これ、昔朝の番組で実際にやっていました。
声だけを聞くと50代に聞こえる本当は30代の女性が、
2週間このトレーニングを続けたら、
ちゃんと30代の声に聞こえるようになっていました。
しっかりトレーニングを重ねたら、
そんなに大きな口を開けなくても正しい発音ができるようになります。
アナウンサーがニュースを読むときは
そんなに大きく口を動かしていないのにはっきりした発音に聞こえますよね。
あれは、しっかり訓練を重ねているからです。
明るく、はっきりした発音を目指して、
まずは、口を縦におおきく開けることを意識して話すようにしましょう。