前回ご紹介したエリック・カールさんの2冊は、
フレーズの繰り返しが楽しい絵本でした。
赤ちゃんや小さな子どもたちに読んであげたい絵本は、リズムが楽しいものがおススメです
もう1冊、わが家の本棚からお気に入り絵本を紹介しますね。
Where Is Baby's Belly Button?
アメリカの絵本作家、カレン・カッツさんの絵本です。(以下、敬称略)
カレン・カッツは、赤ちゃんから幼児向けの絵本を数多く書かれていて、世界中で人気があります。
カレン・カッツの絵本の登場人物たちは、
やわらかな曲線で描かれていて、髪や肌や眼の色もさまざまです。
そして、表情が豊かなんです
色づかいは鮮やかで明るく、いくつもの色調を使っているのに、絶妙な統一感の感じられる絵。
そんな、カレン・カッツさんの感性が、わたしはとても好きです
そして、カレンの絵本から感じられるのは、人に対する愛と深い洞察力。
カレンの絵に添えられる言葉のひとつひとつにも、赤ちゃんや子どもたちへの愛が感じられるようです。
英語圏のママたちは、きっとこんな風に愛情深い言葉を、赤ちゃんや子どもたちへ語りかけているのかなー、と思いをはせながら、わたしも読み聞かせをさせてもらっていますよ
さて、この“Where Is Baby's Belly Button?”ですが、赤ちゃんの体を優しくさわりながら読みすすめるふれあい絵本です。
“Where are baby’s eyes?”(赤ちゃんのおめめはどこ?)“Under her hat!”(帽子の下だよ!)のようなやりとりになっていて、
左のページに問いかけが、右のページには答えのフリップしかけが用意されています。
そして、体の部位を変えながら、同じリズムでストーリーが進んでいきますよ。
右のページのフリップしかけを自分でめくって探し出すのも、もちろん子どもたちが喜ぶ要素のひとつなのですが、
underとbehindが交互に繰り返されるのも、心地よいリズムを作り出していると思います。
そして、子どもたちがそのリズムに慣れてきて絵本の世界に入り込んだころ、最後のページでリズム崩しのサプライズ!!
絵本のリズムの最高の楽しみです
リズムパターンは、本能的に心地良く感じられるものです。
子どもはそれを自分の中に取り入れやすいので、それが安定感や安心感となって、絵本の世界に入り込むのを助けてくれるそうですよ。
絵本の世界に入り込んだ子どもは、リズムパターンの繰り返しによって、おはなしに集中するとともに、次は何が出てくるのかなと想像して、ワクワクした気持ちになるのだそうです。
そして、クライマックスでのリズム崩し。
今までの心地良いリズムの積み重ねが崩れて、とつぜん別のリズムが現れるのも、子どもにとってはまた、魅力的なものなんですって。
そんな風に考えると、読み聞かせをするママの気持ちも、なんだかワクワクしてきませんか?
「もういっかい、よんで」って言われたら、それは最高のほめ言葉ですね
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“Where Is Baby's Belly Button?”
Karen Katz
Little Simon
Published: 2000
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