昔出版された芸術座25年のあゆみ。1957年「モデルの部屋」この時、昭和32年11月劇団東宝現代劇1期生22名がニュフェースとして合格しました。草笛光子さんも審査員として我々を選んでくれました。

丁度「モデルの部屋」公演の為なので男女共に二枚目タイプが中心でした。

この時我々新人は右も左も解らぬまま初舞台です。

スターにまざって、新人達は一生懸命でした。

暫くして1958年2月13日から2月24日迄芸術座にて、東宝撮影所の若きスター達が東宝スタジオ劇団第一会公演を芸術座で行いました。

ジユリアン-リュシエ―ルの「海抜3200米」です。

東宝現代劇1期生初舞台の「モデルの部屋」と次の公演「愛の凄鬼」手織座公演。時代は近いです。

「海抜3200米」撮影所東宝スタジオ劇団第一回公演です。三幕五場。

藤本真澄さんや菊田一夫先生の与えてくれたチャンスに必死に取り組んでいました。

演出 岩村久雄。装置河野国男。照明小川昇。音楽林光。効果吉田貢。製作太田恒三郎、小松公男。

配役
交互出演。
ヴィクトオル「小林桂樹-小泉博」 イレネ「土屋嘉男-平田昭彦」アルマン「中丸忠雄-伊藤久哉」セルジユ「佐原健二-太刀川洋一」ブノア「江原達治-佐藤允-山本簾」ヴァンサン「大塚国夫-加藤春哉」アルチュール「久保明-井上大助」マガリ「司葉子-安西郷子」マルト「久慈あさみ-杉葉子」ソニア「中田康子-八千草薫」ヂヂ「団令子-森啓子」マリイ-ポオル「白石奈緒美-宮田芳子」ジョルジエット「須賀京子-上野明美」のキャスティングでした。

まだ東宝に入ったばかりの私は心おどって見に行きました。
後で申しますが、海抜3200米に縁があるんです。
なぜかと言えば私は東宝現代劇に合格する前に女優座に入っていたのです。

内村直也先生梅田晴夫先生の方々に指導されて張り切って、「海抜3200米」の翻案版の稽古に勤しんでいたいたのでした。

それが半年間稽古を重ねて張り切っていたのに、突然女優座がつぶれてしまったのです。多くの素晴らしい俳優さんがいて、夢に満ちていたのに。

そうして丁度その頃劇団、東宝現代劇の1期生の募集があったのです。

女優座の卒業公演に「海抜3200米」翻案版で稽古を半年も重ねました。麻布の稽古場に通いました。
それが半年間でつぶれてしまって。

そして運が良かったのか劇団-東宝現代劇つまりニュフェースの募集があったんです。書類審査3200人の22名合格に受かりました。

受かって入った東宝現代劇の劇場が芸術座です。

私は女優座で半年間「海抜3200米」の稽古が無駄にはならなかったと思いました。
女優座で稽古した「海抜3200メートル」翻案版での私の役は二枚目でした。そうして「放浪記」で菊田一夫先生役を演じた名演技の小鹿番は三枚目役でした。

東宝現代劇二期生で入ってきた片山節子は矢張女優座で海抜3200メートルで私の相手役で二つくらいラヴシーンがありました。

何だかその辺に因縁を感じます。

そうして撮影所のスターの方々が懐かしくてたまりません。
海抜3200年メートル懐かしいです。