昔の事を書いて心を慰めているわけではありませんが、今やマスコミにも取り上げられる事も無く、
50年以上の歴史のある、東宝現代劇。劇団•東宝現代劇が芸能界から忘れられつつあるのも耐え難く、せめてものしるしとして、書、しました。以下。
劇団・東宝現代劇十周年記念公演「あゝ玉杯に花うけて」は東宝現代劇が大分成長して来た証しの芝居だった。
演劇界ではその力量はトップクラスとして認められていたし、仕事は毎年休みも全然無かった。
毎月公演されている東宝の舞台の仕事は必ず劇団・東宝現代劇の役者が大活躍していた。
五十年以上も舞台だけで生活出来てしかもいい役でと劇団員は恵まれていた。
それも恩師菊田一夫先生のおかげだった。
菊田一夫先生が演劇が好きで我々も、演劇が好きで愛していたからだ。
だから今迄演劇が好きで演劇に携わっていたまわりの方々我々を助けてくれた方々お客様には感謝の気持ちでいっぱいである。
中でも芝居より金儲けで芝居やってるんだ、芝居なんかには愛情なんか無い。全て算盤ずくめでと、そんな関係者は矢張り滅びている。
「ああ玉杯に花うけて」は少年時代に佐藤紅緑の少年小説、同名のを読んだが、感動する小説だった。
東宝現代劇の青春物は、戦争中の青春を描いた「今日を限りの」に続いての作品である。
菊田一夫製作、演出。小幡欣治脚本。
沢山いた劇団員達全員が看板ポスターに名前を並べた。
後はゲストの有島一郎さん中山千夏さん二人が看板。
楽しい1ヶ月の公演だった。
良き時代の五十年以上も続いた盛んな劇団•東宝現代劇だったが。
今でも感謝するのは多くの御婦人がたのお客様、劇団•東宝現代劇団の友の会のお客様方々本当によくご観劇して下さった。時には男のお客様ばかりの日もあった。如何に質の良い作品を求められたか感謝のみである。
今や日比谷を歩いていても演劇人にはあまり会えなくなった。聳え立つ映画街ばかりが目立つ。これも時代ですか。